今回は、2040年の未来予測の書評です。作者:成毛 眞さん。
最初に結論。「日本人必読の未来予測書」です。読んで後悔しません。
しかし、読んで残酷な未来を知り、不安になる可能性はあるので覚悟して読んでください。
あなたには、二つの選択肢があります。
①2040年、想像もしなかった社会を知り慌てる
②2040年、想像通りの未来と想定外の未来を楽しむ
もちろん「②」を選びたいですよね?であれば、2040年の未来予測を読む価値アリです。
リスクをリスクと気づけないことが、最大のリスク。
現在、老後の2,000万円問題など、将来への不安はたくさんあると思います。
ですが、私たちは不安を不安のままにしておくことも、不安を課題に変えて乗り越えることもできます。
そのためには、確度の高い情報を仕入れて対策し、予測値との差を修正するしかありません。
今回は、そんな2040年の未来予測の書評をしながら、考察を加えていきます。
- 2040年の未来予測の作者「成毛 眞さん」はどんな人?
- 2040年の未来予測を読んでわかる4つのこと
- 未来を生きるためには自己投資するしかない
- 未来にワクワクできる人になろう
- 2040年の未来予測は20年間保管しよう
- 「2040年の未来予測 書評」残酷な未来を知る勇気はあるか「まとめ」
2040年の未来予測の作者「成毛 眞さん」はどんな人?
まずは、作者紹介です。
今回あえて、作者紹介をするのは「情報の精度を裏付ける必要がある。」からです。
未来を完璧に見通すことは、ノストラダムスにもできません。
しかし、未来をある程度正しく予測できる人はいます。それは、テクノロジーに詳しい人です。
その点、作者の成毛 眞さんは
・元日本マイクロソフト代表取締役社長
・投資コンサル会社設立
・書評サイト「HONZ」の代表
などの経歴を持つので、未来予測の精度は高いと思います。
未来予測は競馬に近いところがあります。大切なのは、天候やコースでは無く「馬と騎手」です。
・何を予測するか
・どんな裏付けで予測するか
よりも
・誰が予測するか
の方が意識すべき点だと思います。未来予測ほど、難易度の高い思考は無いからです。
2040年の未来予測を読んでわかる4つのこと
ここからは、2040年の未来予測を読んでわかる4つの項目をご紹介します。
1.テクノロジーの進化
2.未来の経済
3.未来の衣・食・住
4.天災
どんな人にも関係する内容が書かれています。未来予測関係の本は、テクノロジーに傾倒することもあります。
しかし、2040年の未来予測では、私たちの生活の幅広い領域で知りたいと思えることを知れます。
1.テクノロジーの進化
まずは、未来のテクノロジーがどうなるか。です。この章はワクワクしながら読めます。
・6G回線でほぼ全てがつながる
・自動運転が普通になる
・ほとんどの嗜好がオーダーメイドになる
・無人のショップが増える
・車が空を飛ぶ
・AIによる医療が進化し身近になる
・新しいエネルギーと電池が生まれる
テクノロジーの進化としては、大きく「通信環境が劇的に進化する」と「AIにより、人が介在する領域が減る」という点がメインです。
テクノロジーの進化によって、私が着目しているのは2つあります。
①空が道路になる
②医療が圧倒的に身近になる
①空が道路になる
人は、飛行機やヘリなど、空を使って移動することができます。でも、まだまだ特別な経験ですよね?
ですが、テクノロジーが進化すれば、空ほど身近な道路はありません。なぜなら、空はインフラ整備が要らないからです。
・6Gによる超高速+1,000万台の同時通信
・AIによる自動操縦
これらによって、空は身近な移動手段になります。
高速道路を作るよりも、はるかに簡単に、低コストで、超高速移動ができるようになるかもしれません。
②医療が圧倒的に身近になる
AIによる自動診察も魅力です。
既に、画像診断(X線写真・MRIなど)においては、AIの方が優秀な結果を出しています。
AIによる診察能力を活かせば、新米のお医者さんでも、大ベテランの診察以上の結果を出すことができます。
つまり、一部の医療行為が「人の知識や経験」で行われるものから「機械の操作」だけで行えるようになります。
診察行為については、医師免許では無く、医療機器の使用許可だけあればできるようになるかもしれません。
少子高齢化・地方の人口減少に対しては、非常に魅力的な技術です。
2.未来の経済
ここから先は、残酷な未来予測です。
2040年、日本は老人ばかりの国になります。これはほぼ100%間違いありません。
・出生率
・寿命
・現在の年齢比率
これだけの情報で、かなり正確に未来の人口は予測できます。そんな日本の経済を学べます。
・老人を支える若者が非常に少ない
・国の借金が増え、社会保障が手薄になる
・退職金がもらえるかは怪しい
・株価を左右するのは政治
・地銀や教育産業は厳しい
・年金はほぼ確実に破綻しない
未来の経済としては「人口減少や労働者が減ることの経済のマイナス成長」と「日本のお金が無くなり、社会保障が手薄になる」ことがメインです。
未来の経済で知っておくべきことはこちらの3つです。
①国力低下はほぼ確実
②少子高齢化を救えるのはテクノロジーだけ
③年金が無くなる時は、日本から逃げた方が良い
①国力低下はほぼ確実
人が減れば、内需(日本の中での消費力)は当然下がります。また、日本が生み出す付加価値も下がります。
人口の減少に加え
・老人が増える⇒消費が減る
・労働層が減る⇒生産力が減る
よって、日本の経済的な力が無くなるのは、ほぼ確実です。
②少子高齢化を救えるのはテクノロジーだけ
そんな絶望の多い、日本の経済。救えるのはテクノロジーだけです。
・エネルギー関連技術
・電池の開発
・AIの進化
などを活用することで、少子高齢化でも充分に力を発揮することができるかもしれません。
むしろ、日本はグローバルで最も少子高齢化が進んでいる国=少子高齢化最先端国。とも言えます。
日本以外も、先進国では人口減少や少子高齢化が進んでいます。
日本が、少子高齢化への対応策となるサービスやテクノロジーを開発し、世界に輸出できれば、日本経済の成長も期待できます。
③年金が無くなる時は、日本から逃げた方が良い
「年金はもらえないから、支払わない」
そんな人もいますが、年金システムは絶対破綻しません。なぜなら、年金システムが破綻したら、日本の経済が破綻するからです。
・年金システム破綻
⇒超円安
⇒株価の暴落
⇒海外企業が居なくなる
⇒企業がバンバンつぶれる
⇒税収がさらに厳しくなり、財源不足
⇒他の日本の社会保障が破綻する
⇒超円安
⇒以下、ループ
なので、何があっても年金システムは破綻しません。日本政府はどんな犠牲を払っても、年金システムの維持は守り切ろうとするはずです。
年金システムが破綻している国に、未来を感じる人はいません。
だからこそ、年金が破綻したら日本から逃げた方が良いでしょう。
税源不足で治安維持もできないので、治安は荒れますし、道路などのインフラ整備も出来ません。
さらに、円安によって、日本の土地のほとんどは、外国人のものになります。
年金の未来はこちら
・支給年齢が大幅に引き上げられる
・支給金額が大幅に下がる
そもそも、年金システムは定年退職後、数年間だけ支払う前提で構築されています。それが、想定以上の長寿化によって成立しなくなっています。
年金の支給が伸びるのに合わせて、引退できる年齢を引き上げていくしかありません。
そのためには、自分の能力を上げるための「勉強」や資産を守るための「投資」に取り組むしかないと思います。
3.未来の衣・食・住
続いて、未来の衣食住です。非常に身近なテーマですね。こちらは、流行の要素もあるので、20年の間に様々なトレンドが生まれると思います。
・人工肉は普及する
・遺伝子組み換えの魚が必要になる
・マンション価格は下がる
・オンライン教育が普通になる
・大学の生き残り競争の激化
・シェアリングは貧しい国にこそ必要になる
食に関しては「世界人口増加」によって、奪い合いになるかもしれません。(価格が高騰する)。そのため、特に肉は価格が上がるでしょう。
牛肉1キロのために、穀物が8キロ必要です。農産物を生産する人や土地が限られているので、肉の価値は非常に高くなります。そのため、人工肉のニーズは増えそうです。
また、日本では土地の価格が下がる(人口が減るので)ため、マンションや土地の価格は下がることが予測されます。
銀座などの一等地以外は価格が下がるでしょう。
そして、経済成長が見込めない日本では、他の先進国からすると「お買い得」な国になり、銀座の土地は外国人の所有になりそうです。
※経済が弱くなると、相対的に円安になる。=海外通貨で購入する場合は安く感じる。
教育についても「人口減少」によって、大学の生き残りが必要になり、テクノロジーの進化によって、オンライン教育がより拡大します。
私が着目しているのはこちらの2つです。
①人工肉
②教育者の仕事が破壊的に減る
①人工肉
食肉に関しては、2つの理由で人工肉に変わっていくと思います。
1.穀物の消費量が多すぎる
2.健康意識の高まり
特に、牛肉は穀物の消費量が多いです。牛肉を必要としなければ、より多くの人が食料を手にすることができます。
焼肉の食べ放題で牛肉が食べられる時代も終わるかもしれません。
また、健康意識も高まっています。基本的には(大雑把に言えば)肉よりは野菜の方が健康に良い効果が期待できます。
環境意識・健康意識の高まりによって、人工肉のニースは増えていくはずです。
②教育者の仕事が破壊的に減る
オンラインによる教育によって、教育者の雇用は破壊されるでしょう。
かつて、町に何人かの「歌い手」や「俳優」が居ました。なぜなら、ネット配信やテレビ、CDが無いため、生で消費する以外の選択肢が無かったからです。
教育についても、これまでは生(教師と生徒が同じ場所にいる)が普通でした。しかし、これからは、極一部の優秀な先生にしか、仕事はありません。
1.普通の先生から、授業を生で受ける
2.オンラインで超優秀な先生から授業を受ける
2番目の選択肢の方が選ばれるでしょう。現に、今でも通信教育が盛んですし、オンライン授業の場合は、生徒の費用負担を減らせます。
・1人の先生が30人に教える
・1人の先生が1万人に教える
どう考えても、生徒一人当たりの費用負担が少ないのはオンラインです。
一部の超富裕層だけが、直接教育を受けるようになると思います。
4.天災
日本はどちらかと言えば、天災が多い国です。
もちろん、そのおかげで豊かな景観や温泉があるのは事実です。
とはいえ、近いうちにこれらの天災が起こるリスクはあります。
・温暖化による飢餓
・地震
・富士山の噴火
・水不足
2040年の未来予測でも書かれていますが、天災について、自分で考えて処理するしかありません。
・住んでいる地域
・家の構造
・持っている土地や車
・家族構成
など、様々な変数があるからです。大切なのは、シミュレーションを重ねて、安全策を持っておくことです。
災害用の持ち出しバックなどの準備も大切ですが(もちろん、玄関に置いておきましょう。)車や車庫など、自宅以外にも水や缶詰・毛布などがあると安心です。
また、自分の住んでいる地域のハザードマップの確認も忘れずにしましょう。
未来を生きるためには自己投資するしかない
ここまでご覧いただくと「漠然とした将来への不安」が生まれていると思います。
しかし、不安を持つことはノーリスクです。
人は誰しも、目の前に不安があると「知らんぷり」をしてしまいます。
心配に気付いていても、気付かなくても、問題は等しく起こります。しかし、その後の対応次第で、未来はいくらでも切り拓けます。
そのためには、自己投資(勉強・経験を積む)をして自分の能力を伸ばしておくべきです。
知識と経験は最強です。なぜなら、誰も奪うことができないからです。
まずは、知識を得て、見えなかったリスクが見える眼鏡(知識)を手に入れましょう。
未来にワクワクできる人になろう
どんなに技術が進んでも、人にしかできないことがあります。
それは「前例がない事への取り組み」です。
コンピューターにより、超高速計算やデータ処理によって「過去からの予測」は機械の方が有利です。
ですが、前例がない(データが無い)状態なら、人の方優秀なはずです。※この辺の力をつけたい人は、こちらの2冊がおすすめ。
2040年の未来予測で書かれている内容や変化について、私自身もわからないことばかりです。
でも、同時にワクワクしています。
新しい事へ適応できる人は、未来にワクワクできる人です。
私たちは、生まれた時(赤ちゃんの頃)「全く知らない世界」で過ごしました。
・言葉がわからない
・食べ物がわからない
・自分がわからない
それでも、社会に適応することができています。どんなに世界が変わっても、知らないことばかりでも、私たちは適応できると思います。
どうせ適応するなら、楽しく・ワクワクしながら適応してみませんか?
2040年の未来予測は20年間保管しよう
いまから楽しみなのが、この2040年の未来予測という本を、2040年まで保管しておくことです。
それによって、予測がどこまで正しいか。がちゃんと検証できます。
もちろん、予測が外れていることに文句を言うつもりはありません。
単純に、興味本位として、人がどこまで未来を予測できるか。を検証してみたいと思っているからです。
「おっ、本当に空を飛んで移動する時代になった。」
「医療のAIは2030年には一般的になっていたな。」
「今でも、学校で先生が生徒に直接授業しているな。」
こんな風に、20年前の自分のことに思いを馳せながら、2040年を過ごしてみたいです。
そのためには、20年前に準備するしかありません。
「2040年の未来予測 書評」残酷な未来を知る勇気はあるか「まとめ」
今回は、2040年の未来予測。の書評でした。
今、話題の本。やはり、話題になるには理由があります。シンプルに読み物として、面白いです。
※個人的に一番のほめ言葉は「シンプルに読み物として面白い。」です。
・未来の変化を知る
・今の社会を知る
そういったことも大切ですが、読んでいて「面白いなー」と思える本を読むのが一番だと思います。
ぜひ、2040年の未来予測を読みながら、一緒に未来予想をしてみましょう。