「結婚してください。」
「はい。」
結婚をしたいと思っている、多くの男女が夢を見る瞬間がプロポーズだと思います。
結婚前には両目を開いてみよ。結婚後は片目を閉じよ。(トーマス・フラー。英神学者)
この言葉を胸に刻み、結婚を申し入れても(受け入れても)「結婚してから妻(夫)が変わったよ。」と感じる人は多いと思います。
あなたも、結婚してからこんな風に思うことはありませんか?
「今まで文句を言わなかったのに。」
「趣味を自由にさせてくれると思ったのに。」
「料理を美味しく食べてくれていたのに。」
「ちょっとしたことで怒られるようになった。」
この変化は経済学的に考えれば「当たり前」かもしれません。という話をします。※ゲーム理論で効用を比較すれば。
・結婚をしている人
・今後結婚をしたい人
現実とその理由をご紹介します。
経済学的に。というテーマなので、少しドライな表現もありますが、あくまで傾向値として、気軽に読んでください。
参考書籍はこちらです。
結婚をすると、妻や夫が変わる理由「ゲーム理論」
結婚をしたことによる、最大の変化は何だと思いますか?
「一緒に生活する。」
「お財布が一緒になる。」
「公の場に夫婦として出席する。」
違います。正解は「分かれるために必要なコストが増える。」です。
結婚とは、関係解消に必要なコストが増えること
交際中(未婚)の時、結婚と比べると別れるのは簡単です。LINE一つで関係を解消することさえできます。
一方、同棲をしていると、別れるコストは増えます。
家具の配分、引っ越し、新居探しなど、別れるために必要なコスト(手間・時間・お金)が増えます。
そのため、結婚前の同棲はダラダラと付き合う関係になるリスクもあり、おすすめできません。
※この辺については、こちらで詳しくご紹介しています。
結婚は、同棲以上に関係解消のコストが必要になります。
・離婚届の提出
・住居
・家具の配分
・名前の変更
・各種名義変更
・知人への連絡
・親や親せきと気まずい
等々、挙げればきりがありません。
離婚するのは、心身共に大変です。つまり、結婚による最大の変化は「関係解消が大変」と考えることができます。
関係解消のコストは、交際<同棲<結婚。です。
結婚後夫や妻はこんな風に変わる可能性があります。
では、結婚して関係解消のリスクが増えた時、妻や夫はどのように変わるのでしょうか?
大きく2つの方向性があります。(悪い方の変化のみ記載しています。)
1.結婚後は小さな不満を言いやすくなる
まずは、「小さな不満を伝えるようになる。」という変化です。
関係解消のコストが高くなるなら、相手を変えるコストの方が相対的に低くなります。
例えば、付き合っている時の関係解消コストと、相手に文句を言うコスト(負担)はこちらです。※大変さのイメージを数字で示しています。
・関係解消:2
・相手に文句:4
一方、結婚後はこのようになります。
・関係解消:9
・相手に文句:4
どうでしょうか?合理的に考えれば、嫌なことを相手に伝えるようにする方がお得ですよね?
離婚して、他の人と結婚する大変さよりは、相手に変わってもらう方が楽に感じます。
つまり、結婚すると、付き合っている時以上に不満を言われる頻度が上がります。
2.結婚後は相手が努力をしなくなる
関係解消コストが自分も相手も高い。
この場合は「自分の関係解消コストが高い。」と思っている人は、相手に変化を求めるようになります。(最初の変化)
逆に「相手の関係解消コストが高い。」と思っている人は、フラれるリスクが低くなるので、努力をしなくなります。
・家事をしなくなる
・身だしなみを気にしない
・生活習慣が乱れる
など、これまで相手に良く思われるように努力していたことを、辞めてしまう可能性があります。
これも、フラれるリスクと、努力する手間を比較すると「フラれるリスク<努力する手間」となるからです。
もちろん、全ての人が合理的な訳でもないですし、リスク許容度は人によって異なるので、傾向値です。
余談:コストの定義
ここで伝えているコストとは、時間・手間・お金などのわかりやすいコストだけではありません。
・寂しい気持ち
・恥ずかしい気持ち
・悲しい気持ち
・恐怖
など、感情面の負担もコストととらえています。
一言でいえば、大変さ。と思ってください。
子供が出来るとパートナーはもっと変わる。
「えー。結婚って大変だなあ。」
そう思ったかもしれません。そんな人にはさらにバットニュースがあります。
それは「子供が出来るとさらに変わるよ。」ということ。
それもそのはずで、結婚以上に関係解消のコストが増えるからです。(これには、こどもと別れてしまう寂しさも含みます。)
「結婚したら、夫(妻)が変わった。」
以上に、子供が生まれたら相手が変わった。というのは、良く聞く言葉です。
これは、経済学的な観点だけでは無く、結婚すると女性も男性もホルモンの比率が変わるため、生物学的にも人は変わります。
つまり、子供が出来ると、経済学的にも、生物学的にも相手は変わる。と思っておいた方が良さそうです。
もちろん、良い方向に変わる可能性もあります。
替えが効かない関係は「楽しむ・成長する」気持ちが大切かも。
関係解消のコストが増えた。ということは、お互いに変化をする方が楽。とも言えます。
「結婚したら、お互い文句を言うばかりになってしまった。」
こんな風になる可能性は確かにあります。
しかし、結婚によって、さらに良い関係になれる可能性も、もちろん残されています。
何かが変わる時、それは良い方向にも悪い方向にも変化します。
変化=悪ではありません。あくまで変化するだけ。
大切なのは、その変化を自分や相手にとって、良い方向に変えること。
夫婦、カップルの関係に大切なのは「メンタルの安定性」とも言われています。
大変な時、辛い時、少しでもリラックスできたり、心を切り替えるような鍛錬が必要かもしれませんね。
強いメンタル(レジリエンス)におすすめの本はこちらです。大切なのは、折れない心では無く、立ち直れる心。
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