「この判断にはリスクが伴う。」
「○○の稼働によってリスクがある。」
このような表現でニュースが流れるたびに、私は違和感を感じています。
なぜなら、ノーリスクは神話だからです。
リスクがあるのは当たり前で、わざわざ伝える必要はありません。なんとなく、不安を煽っているだけに見えます。
「Aに対して、Bの選択では事故のリスクが高い。」
このような表現なら違和感はありません。
ノーリスクのものが無い事は、考えれば誰でもわかることです。
・車の運転
・食事
・旅行
・買い物
全ての行動にはリスクが伴います。
リスクを恐れる必要はありません。どんなリスクを許容するか。それだけです。
このエントリーは「トレードオフ」の亜種です。
リスクという軸で「選択する」ということについて考えていきます。
リスクの無い選択は無い
先ほどもお伝えしたように、リスクの無い選択はありません。
レストランで食事をする時には、こんなリスクがあります。
・移動中の事故
・アレルギー食品を食べる
・不審者へ
今、このブログを見ているスマホやパソコンがいきなり発熱するかもしれません。
つまり、リスクを避けようとすることは、息をしないようなものです。リスクを取らないこと以上のリスクはありません。
中国の故事で「杞憂」という話がありましたよね?※空が落ちてくると心配する人の話。
そこまで不安になる人は居ませんが、それに近い人は存在します。
リスクは相対比較で選ぶべき
リスクに対しての考え方として、健全なのは「相対比較で選択すること」です。
私は、この3つが大きな判断軸です。
1.相対的なリスクがあるか
2.メリットとデメリットを整理する
3.好み
1.相対的なリスクがあるか
まずは相対比較です。
選択をする時は、他にいくつかの候補があります。
その中で安全性の高い方法を選ぶ方法です。
・車で長距離移動よりは、飛行機を選ぶ
・知らない店よりは、知っているお店を選ぶ
このような形です。
2.メリットとデメリットを整理する
リスク回避だけで考えると「新しい発見」や「楽しみ」がなくなりやすいです。
いくら安全だとしても、これまで経験したことだけで生きていくのは味気ないですよね?
他にも、低リスク・低リターンの可能性もあります。
ほとんどのことは、リスクと期待リターン率がほぼ同じくらいです。
・この選択で何を失うのか
・この選択で何を得る可能性があるのか
そう考えてから、リスクテイクしましょう。
3.好み
最後は好みです。多くの人は、私と同じようにリスク嫌いです。
例えば、どちらがあなたの好みですか?
①さいころを振って「3」が出たら、6,000円
②ノーリスクで1,000円もらう
期待値は同じ1,000円です。
ほとんどの人は「②」を選択します。②を選択して人は、金額を1,000倍にしてください。①を選びたくなりますよね?
しかし、リスクテイカー(リスクにわくわくする人)は、①を選択します。
つまり、リスクに対しても、人それぞれ好みがあります。
他にも
「同じ移動リスクなら、飛行機よりも新幹線」
「同じ知らない店なら、イタリアンよりもラーメン」
など、好みの問題もあります。
合理的な思考だけでは、判断できないこともあります。最後は好みで決めてしまうことをおすすめします。
リスクは直近の情報に左右される
ちなみに、人が感じるリスクは普遍的なモノではありません。
直近の情報でリスクへの感じ方左右されます。
例えば、飛行機事故のニュースが流れた次の日、飛行機に乗るのはハイリスクな気がしませんか?
また、自動車事故を見た後は「車の運転は怖いな。」と思います。
つまり、人のリスクの感じ方は意外と移り変わるものです。
そのため、定期的に自分の判断や選択が変わるのは当たり前のことです。
リスクは人によって感じ方が異なる
これも当たり前ですが、リスクの感じ方は人によって異なります。
例えば、同じ1%のリスクがあったとしても、その感じ方は変わります。
・車で起こる事故
・ヘリコプターに乗っている時の事故
確率が全く同じでも、感じ方は変わります。起きる影響(ダメージ)が同じでも同様です。
あなたが怖がり過ぎていることもあります。逆に、怖がり過ぎていないものもあります。
恐れ上手になろう
今回の伝えたいことは「恐れ上手になろう」ということです。
リスクがあること自体はリスクではありません。避けようのない事実です。
しかし
リスクを恐れすぎる:行動が出来なくなる
リスクを好み過ぎる:危険な目に遭ったり、生活が不安定になる
といった、可能性があります。
自分なりの尺度で、しっかり判断して行動できることが「恐れ上手」です。
リスクとは、自分を守る盾にも、足かせにもなります。どう使うかは、自分自身です。