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『シャトレーゼはなぜおいしくて安いのか 書評』うまさとコスパの根拠がわかる。

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今回は、シャトレーゼ創業者で代表取締役会長を務める、斎藤さんが書いた"シャトレーゼはなぜ「おいしくて安い」のか"の書評です。

 

これは、単なるシャトレーゼのファンブックでも、創業者の自慢話ではありません。

 

企業の良いところを宣伝するだけの本ではありません。

 

シンプルに勉強になる本で、こんなことが理解できます。

・良いモノづくりとは
・企業とお客さんがwin-winになるためには
・ビジネスの基本

 

シャトレーゼという、なじみある企業を参考に、ビジネスについて楽しみながら学べる。そんな本です。

 

シャトレーゼは広告費を全く使いません。また日持ちする製品を作ろう。とも思っていません。

 

高く売れる商品でも、適正利益以上を取ることはありませんし、赤字商品をあえて販売しています。

 

その理由は、この本が明らかにしてくれました。

シャトレーゼはなぜおいしくて安いのか。の本づくりの特徴

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シャトレーゼはなぜおいしくて安いのか。で面白いなあ。と思った試みがあります。

 

それは、作者がたくさん居る。ということです。

 

一般的には、企業の本を書くならトップが一人で書くのが基本です。

 

ですが、この本では各部署の担当者がシャトレーゼについて語っていきます。(店舗開発・商品開発・海外部門など。)

 

その分野のプロが語るので、読んでいて非常に面白いです。

 

一冊の本で、それぞれが文章のバトンを渡していくスタイルに、好感を持ちました。

 

また、編集者の方が優秀なのか、シャトレーゼの雰囲気のせいなのか、文章表現にばらつきが少なく読みにくい点もおすすめです。

シャトレーゼはなぜおいしくて安いのか。を読んでわかること。「要約」

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この本を読んでわかることは、大きく2つあります。

 

  1. シャトレーゼはの魅力と強み
  2. モデルケースとなる企業経営

 

単純に「シャトレーゼってどんな会社なんだろう。」と思っている人にもおすすめの本です。

 

しかし、それ以上に「企業経営、組織作り、モノづくり、サービス作り」などに関心のある人にも学びがあるのが、この本。

 

シンプルで合理的な手法による企業経営は、まさしくお手本。と呼べるでしょう。

シャトレーゼの魅力と強み「書評」

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ここからは、シャトレーゼはなぜおいしくて安いのか。を読んでわかった、シャトレーゼの強みと魅力についてご紹介します。

安くて美味しい。の反対に位置する。

・安くて美味しい
・美味しくて安い

 

には大きな違いがあります。

 

安くておいしい:やすいわりに美味しい。
おいしくて安い:美味しいのに安い。

 

500円と聞いて食べたランチが美味しかったら「やすいのに美味しいなあ」と思います。

 

でも、値段を知らずに食べたら「普通だ。」と思います。

 

値段を知らずに食べて「美味しい」と思ったのに、安い。これが一番うれしいですよね。

 

「こんなに美味しいのに、安い。」

 

これが感動を生みます。これを目指しているのがシャトレーゼ。

シャトレーゼはトップギバーである

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シャトレーゼで最も素晴らしいと思ったのは、シャトレーゼがトップギバーであること。

 

人には3種類います。
・ギバー(与える人)
・マッチャー(同じくらいに調整する人)
・テイカー(奪う人)

 

最も成功するのも、最も失敗するのもギバーのようです。

 

シャトレーゼはたくさん与えて、それが適切にめぐりめぐって利益につながります。

 

企業を買収する時、シャトレーゼが最初に考えるのは「シャトレーゼだから出来ることがあるか。」です。

 

海外進出の時、他の日系企業が高い価格で販売していても「できるだけ安く」販売します。

 

むやみに利益を追求しません。

 

こういった与える行為が、利子をつけて帰ってきているからシャトレーゼは成長しています。

※ギバーについて詳しく知りたいひとはこちらから。

創業者がトップにいる魅力

リーダーシップとは神話です。

 

・人に尽くす
・リーダーが責任を取る
・手柄を人に渡す

 

こういったことをして、偉くなる人は非常にレアで、実際は悪い人ほど出世します。

 

・嘘つき
・手柄泥棒
・ごますり

 

こういった行動が、出世への最短ルートです。

 

「では、誠実で良いリーダーはいないのか。」

 

います。多くの場合は、創業者がこの例に当てはまります。

 

出世競争なしに偉くなる人の方が、理想的なリーダーになりやすい環境だからです。(誠実で人に尽くしてもキャリアに悪影響が無いから。)

 

この辺のロジックは「悪いヤツほど出世する」がおすすめ。

自社で買う、自社で作る

シャトレーゼのコスパを実現している最大の強みは工場直販であること。

 

どこかの商店に卸をすると、その分手数料が取られます。

 

また、商店のニーズに応えるために、お客の立場に寄り添わない商品開発が必要になるケースもあります。

 

賞味期限を伸ばすために添加物を入れる。美味しさよりも安さを優先する。

 

こういった選択をしないために、シャトレーゼは自社で生産し販売しています。

 

手数料分の価格をそのまま下げて販売しているので、必然的に安い価格で販売が出来ています。

みんなが儲かるフランチャイズ

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フランチャイズのオーナーは大変だ。と良く聞きます。

 

・ロイヤリティを取られる
・本部の指示通りにやらされる

 

こういったことをしないフランチャイズ関係をシャトレーゼは構築しています。

 

あくまで、企業間のパートナーシップとして、フランチャイズがある。

 

また、フランチャイズをしたい。と申し出があっても、立地条件や人によってはフランチャイズ契約を結ばないケースもあるようです。

 

「その地域の人に、シャトレーゼを良い会社と思ってもらいたい。」

 

こんな信念があるからです。

 

無理に拡大をしたり、フランチャイズに負担を押し付けないからこそ、シャトレーゼは撤退が少ないのかもしれません。

無添加と減添加

「長持ちしない製品は新鮮です。」

 

こう言われて、納得する人は少ない。

 

しかし、実際には長持ちしない=添加物が少ない。とも言えます。

 

また、新鮮な卵や牛乳を使って作るからこそ、日持ちしない。というケースもあります。

 

バターよりも、マーガリンが長持ちするのと同じです。

 

長持ちすれば、それだけロスが少なくて利益が出やすい。それでも、お客様のために新鮮なものにこだわっています。

大量生産と手作りの良いところ取り

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経済学には、規模の経済。という言葉があります。

 

これは、規模が大きい商売ほど、原価が下がって利益がでる。という意味です。

 

大量発注するから、安い原価で勝負ができます。

 

とはいえ、工場の大量生産品の多くは「手作り未満」の味だったりします。

 

「やっぱり、手作りの個人店が一番いいよね。」と思うことがありますよね?

 

しかし、シャトレーゼは工場による大量生産でも、設備を工夫したり、人の手を使ったり、原材料にこだわり美味しさを追求しています。

 

規模の経済を活かしつつ、手作りの良さを残しています。

あえて赤字のケーキを売る

企業の責任として、社会貢献が求められて久しいですね。

 

多くの企業はスポンサー活動やボランティアなどを行っています。もちろん、これも素晴らしいことです。

 

シャトレーゼの社会貢献は、原価の高いアレルギーフリーの製品を、なるべく安く提供していることです。

 

この本では、赤字になる。と書かれています。

 

もちろん、原材料だけの直接原価で赤字になっていることは無いでしょうが(たぶん)、販売管理費や輸送費を含めたら赤字になる商品のようです。

 

これは、アレルギーがある人にも美味しいケーキを食べてもらいたいから。というシンプルな理由です。

 

メインの商品の工夫と努力で社会貢献をする。というのは、企業の強みが出て素敵な試みです。

企業経営として、学びになること

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ここからは、企業経営として学びになることをご紹介します。

あえて郊外に進出する合理的なメリット

郊外進出によって、安く土地の確保ができます。

 

また、シャトレーゼでは約400種類の製品を販売しているので、シャトレーゼだけで全てが完結します。

 

いろんなお店を回る手間自体を無くす。これも顧客満足度を高めます。

 

都会やテナントを使わず、車で買いに来てもらう。この戦略だけを取ることで、合理的な経営につながっています。

セレンデピティを活かす経営

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製品開発をしていると失敗することがあります。

 

例えば、シャトレーゼで人気のチョコバッキーは失敗からのセレンデピティです。

 

薄いチョコとバニラが均一に混ざった製品開発をしていたのですが、上手くいかずチョコの位置がばらつく。

 

しかし、この食感が面白い。ということで、そのまま販売しています。

 

他にも割れてしまったせんべいを使った、チョコレートクランチなど、失敗を活かす文化が浸透しています。

 

・ポストイット
・ペニシリン
・万有引力

 

これらは、セレンデピティが基になって発明されています。

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本当の意味で、社員に経営者と思わせる

あなたも会社で「経営者の気持ちになって行動しろ。」と言われますよね。

 

しかし、経営者ほどの給料も権限も無いのに、経営者の気持ちになれ。というのは間違っている気もします。

 

一方、シャトレーゼではプレジデントシステムが導入されています。

 

プレジデントに認定し、仕事を任せる。結果が出ればその分給料で還元する。

 

この方法で、仕事のやる気や責任感を育てつつ、将来の社長候補を作っているようです。

上場しないから、お客様目線が追求できる

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上場をするとステークホルダーが増えて、完全にお客様目線になることは難しい。

 

株主は短期なので、一時的な赤字や投資をあまり喜びません。

 

もちろん、起業家としては上場する方が金銭面でも、権威性でもお得な部分があります。

 

それでも、シャトレーゼではお客様第一を貫くためにあえて上場をしていません。

 

もちろん、上場によって資金が潤沢になり、人材や設備、開発への投資が加速するので、一概に上場しなければいい。ということではありません。

売れ筋商品はあえて改良する

売れ筋商品といえば

 

・何十年も継ぎ足すたれ
・昭和から変わらない味付け
・あのころの懐かしの味

 

みたいなイメージがありますが、シャトレーゼでは全く逆です。

 

あえて、売れ筋商品を改良していきます。

 

先ほど触れたように、あえて赤字になるケーキを販売するシャトレーゼでは「最強の商品」が必要です。

 

そのためには、今よりもっと良くする。という観点で商品開発を行います。

 

そこには「おいしくて安い」を追求するスピリッツを感じます。

『シャトレーゼはなぜおいしくて安いのか 書評』まとめ

本を読む女性

今回は、シャトレーゼはなぜおいしくて安いのか。の書評をしました。

 

正直、最近は「書評ブログは厳しいかも。」と思っていたのですが、良い本を知ってほしい。という気持ちで紹介してみました。

 

他にも

・シャトレーゼのSNS戦略
・三喜経営
・ブランディング
・海外進出

 

など、ご紹介したいことはたくさんありましたが、文章量が多くなりすぎるので割愛します。(お楽しみに取っておきますね。)

 

シャトレーゼは正直地味です。他のお菓子屋さんと同じように見えます。

 

しかし、その裏では並々ならぬ努力をみんなのために行っている。

 

間違いなく、今後世界で活躍していく企業だ。と感じました。

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