うわさ話に尾ひれがついていない事例を、私は知りません。
その理由は、タイトルにも書いたように「共感」を求めてしまうからです。
では、なんで人は共感を求めてしまうのか?という疑問について、進化心理学的な観点から理由を考察します。
あなたもどこかで
・話を盛ってしまったこと
・脚色された話を聞いて、事実との違いにビックリしたこと
ありますよね?
噂に尾ひれがつく理由が理解できれば、情報が正しく伝わらない経験を減らせるかもしれません。
また、人間関係をより良くすることも可能です。感情が動くポイントを理解できるからです。
・うわさ話に尾ひれがつく理由
・なぜ、人は共感を求めてしまうのか
以上の2点についてご紹介します。
なぜ、うわさ話に尾ひれがつくのか
うわさ話に尾ひれがつく理由は共感をして欲しいから。
ストーリーを話す時、少し盛って話をしないと共感してもらえないと思ってしまいます。
例えば、あなたがコンビニのお会計で少し不快な店員さんに遭遇したとします。
その時「おつりの渡し方が雑だったんだよね。」と言っても、あまり共感をしてもらえません。
あるある。と言われるのが関の山です。結果、なんだか不完全燃焼な気持ちになります。
だからこそ「おつりを渡すときに、投げつけられた」とか「睨まれた」とか、少し脚色をして話をしてしまいます。
少し大げさに伝えることで、相手から同情と共感を得られるからです。
「そうなの?大変だったね。」
「そんなコンビニ、もう行かない方が良いよ」
そう言ってもらえると、胸がスッとします。
クレームは特に尾ひれがつきやすい【実体験】
学生の時、コンビニでバイトをしていました。コンビニなどの接客業は割とクレームを受けることが多く、私も何度かクレームをいただきました。
※そもそも、私が理想的な店員で無かった時もあったと思いますが、便宜上、そこは棚上げさせていただきます。
その時に、全く身に覚えのないようなことが書かれていて、びっくりした経験があります。※おつりを投げた。返事をしなかった。など。
その時は、なんでこんな風に言われるんだろう。と思っていましたが、答えは共感が欲しかったから。だとわかりました。
たしかに、私の接客が不快だったとして、それを言葉で伝えることは難しい。
そんな時に、少し話を盛ってクレームをしたくなるのが、人情かな。と思います。
せっかく、クレームという労力を割いても、相手に伝わらないと意味が無いからです。
接客業をしている人なら、似たような経験がある人もいると思います。
そんな時は、真摯に受け止めることを前提に上司が、ある程度盛られている可能性を考慮する必要があると思います。
場合によっては、クレームを受けた従業員も辛い思いをする場合があるからです。
では、なんで人は共感をして欲しいのか
人が共感を得たい理由はいくつかありますが、2つの理由を取り上げます。
1.共感によって、情報伝達をしていたから
2.共感は、仲間として扱われることだから
1.そもそも共感によって、情報伝達をしていたから
もともと、人類は共感による情報伝達をしていました。
・猛獣が来てビックリしている
・獲物を見つけて喜んでいる
こういった感情を共感によって意思疎通が出来ることが、生き残りの条件でした。
今でも共感力は重要ですが、それは原始時代から変わっていません。
原始時代は、共感を得られないことは生存確率を下げることに直結していました。
2.共感は、仲間として扱われることを意味するから
人は、あえて共感をしない瞬間があります。
・こどもに注射を打たせる時
・敵と戦う時
こどもの痛みや、敵の痛みに共感をしてしまうと、正しい判断が出来ない時があります。
例えば、ボクサーが相手の痛みに共感をしてしまったら、思いっきり殴り合うことは出来ません。
だからこそ、共感を得る。ということは安全が保証されていることと同じような意味合いを持ちます。
これら2つの理由を考えても、人が共感を得たがる理由がわかると思います。
共感を得たい。という感情は、そもそも人にプログラミングされた感情です。
うわさ話に尾ひれがつく理由は、共感を求めてしまうから「まとめ」
今回は、うわさ話に尾ひれがつく理由について、進化心理学的な概念も加味してご紹介しました。
共感を得たがる気持ちは、コントロールが難しいものです。それは、本能だから。
とはいえ、そんな本能を抑えることで発展をしてきたのも、事実。
うわさ話に尾ひれがつくのは、ある程度しょうがないですが「相手は共感を欲しがっているのかも。」と思って話を聞くことで、ある程度正しい情報を得ることができそうです。
人質を取っている犯人と交渉するネゴシエーターも、相手を否定せずに理解すること(共感すること)で、誰も傷つかないように交渉が成功する確率が上がりました。
どんな人も共感を求めています。そのロジックを頭に入れて、会話をすることでより良い人間関係が作れるかもしれません。