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プレゼントの難しさは選んだ瞬間に価値が20%下がること【選び方の経済学】

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贈り物を選ぶとき、あなたはどうやって決めていますか?

 

・相手に欲しいものを直接聞く
・会話から探る
・定番品を選ぶ
・商品券を贈る
・お気に入りの品を送る
・話題商品を送る
・ネタになるふざけたものを送る
・自作のプレゼントを贈る

 

プレゼントを贈る時には、無限に選択肢があるように思えます。しかし、正解はたったの3つです。

 

1.経済学的に考える:お金か商品券
2.心理学的に考える:自作のプレゼント
3.統計的に考える:相手の欲しいものを送る

 

あとは、相手との関係性を加味して選ぶだけです。

 

「プレゼントを贈ったけど喜ばれなかった」

 

そんな経験をする人は少ないです。人は優しいうそつきだから。

 

でも「このプレゼント要らないなー」と思った経験はありますよね?アメリカ人の50%は、1年に1個以上は「送り返したい」と思うプレゼントをもらっています。

 

つまり、あなたがプレゼントを渡した人も同じ感想を持ちます。

 

【お品書き】
・プレゼントを贈ることで、20%下がるお金の価値
・正解のプレゼントを贈る3つの方法の根拠
・相手との関係別、おすすめのプレゼント方法
・友情や愛情に「お役立ち」は要らない

 プレゼントを贈ることで、20%下がるお金の価値

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ペンシルべニア大学の経済学者「ジョエル・ウォルドフォーゲルさん」が贈り物と経済的な非効率について研究した結果が、この主張の根拠です。

 

実験の内容はこうです。

贈り物をもらった人に頼んで、送られた品にいくら払う気があるか。を見積もってもらう

結論は、費やされた1ドルあたり、20%低い金額で評価されていました。

 

つまり、一万円のコートを送ると、8,000円のコートをもらったのと同じような喜びにしかならない。ということです。

 

当たり前ですが「1,000円の価値を最大限に使えるのは、自分自身」ということです。

 

ちなみに、アメリカのクリスマスプレゼントの金額は「650億ドル」ですが、実際の価値は「130億ドル引き」になっていると考えられます。

正解のプレゼントを贈る3つの方法の根拠

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基本的に20%下がった価格で評価される可能性のあるプレゼント。

 

私のおすすめの3つの方法について、根拠をご説明します。

経済学的に考える:お金か商品券

先ほどからお伝えしているように、多くの場合プレゼントの価値は80%分しか評価されません。

 

つまり、お金か商品券を渡すのがベストです。

 

その場合は、1万円渡せば、一万円分の喜びと選択肢を贈ることができるからです。

心理学的に考える:自作のプレゼント

心理学的に考えれば、人は親しい人からもらうプレゼントに対しては「努力や心遣い」で喜びを感じます

 

これは想像をすればわかることです。

 

ハーバード大学の経済学者「グレゴリー・マンキュー」さんは贈り物は「シグナリング」の一部。であると言っています。

 

つまり、贈り物は「相手に対して親しみや愛情を感じているよ。」というシグナルを送る行為です。

 

つまり、自作のプレゼント(作るために時間や考える労力が必要)がベストです。※良く考えられたプレゼントなら、自作で無くても可。

 

ちなみに、この「親しい人から」という言葉がついているのには理由があります。(詳細はこのあと)

統計的に考える:相手の欲しいものを送る

統計的に、一番喜ばれるプレゼントは「欲しいと思っているモノ」です。

 

もちろん、統計的になので「統計外」の、思いもよらぬプレゼントに喜ぶ可能性もあります。

 

しかし、これにはリスクがあります。

 

全米小売業協会が2008年に調査した結果「アメリカ人の半数が、一年間にもらったプレゼントのうち、最低一つは送り返したい。」と回答しているようです。

 

つまり「要らない」どころか「送り返したい」と思うくらい嫌なプレゼントをもらっています。

 

贈り物の価値は、20%offどころか、マイナスです。

 

つまり、贈り物を贈る時は「何が欲しい?」と聞くのがベストです。

 

この辺の関係性については、こちらでもご紹介しています。

www.yoblog.org

相手との関係別、おすすめのプレゼント方法

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ここまで3つのおすすめのプレゼント方法を、ご紹介してきました。

 

「3つの方法のうち、どれを使えばいいの?」に対して、回答していきます。

他人や関係性の薄い相手:お金が現金

お金か商品券が良いのは、相手との関係が希薄な時です。

 

会社や自治体から「○○記念」や「○○周年」で送られるプレゼントほど、要らないものは無いですよね?

 

・関係性が薄い場合
・たくさんの人に贈る場合

 

こういった時は、お金か商品券が良いでしょう。

 

お金は渡しにくいですし、現金ではシグナリングが全くないので、最適解は「商品券」です。

 

「このアパレルブランドおすすめだから、この商品券で好きな服買って」
「このレストラン美味しいから、彼女と行ってきな」

 

こんな風に渡すのが、シグナリングも送れるのでベストです。ある程度、使い道が絞られている=自分のことを考えている。となります。

 

・相手との関係が非常に薄い:汎用性のある商品券
・相手との関係を近づけたい:専門性のある商品券

恋人や親友:自作のプレゼント

恋人や親友に送るべきは「役立つもの」ではなく「親しみのあるモノ」です。

 

つまり、自作でプレゼントを作ったり、創造性を発揮してプレゼントを選びましょう。

 

「この前、疲れているって言ってたから観葉植物買ってみた。」
「この服似合うと思うから、着て欲しいんだよね。」
「これまでの思い出をフォトブックにしてみた。」

 

こういった、思いやりの伝わるプレゼントがおすすめです。大切なのは「あなたのために考えたよ。」というシグナルです。

友人や恋人、親友:相手の欲しいモノ

相手の欲しいものを渡すのは万能です。

 

恋人でも、友人でも、会社の同僚でも同じです。

 

正直、困ったら「欲しいものを素直に聞く」のがおすすめです。私はそうしています。

 

私はパートナーに「何が欲しい?」と聞いて、一緒に買い物に行き選んでもらいます。

 

私がもらう時は、Amazon楽天のリンク先を送ることもあります。

友情や愛情に「お役立ち」は要らない

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プレゼントを贈るなら「お金か相手の欲しいモノ」というのが基本的な考え方になります。

 

とはいえ、それだけでは成立しないのが人間関係の難しいところ。

 

親しい人間関係の特徴を一つ挙げろ。と言われれば、私は「利害関係が無い事。」だと思います。

 

お互いに利益を与えあう関係で無いからこそ、友情や愛情は成り立ちます。

 

親しい人には「役立つアイデア」ではなく「真心を贈る」。

 

そんな無駄で、非合理的で感情的なモノが、人を喜ばせる時もあります。

 プレゼントの難しさは選んだ瞬間に価値が20%下がること【まとめ】

今回は、プレゼントの難しさとその解消方法についてご紹介しました。

 

とはいえ、基本的には「相手が嫌がらない範囲」であれば、何を送っても良いと思います。

 

たぶん、プレゼントの一部はエゴなので。

 

・相手の性格
・相手の好み
・相手の環境

 

など、様々な点を考慮に入れつつ、ご紹介した3つの方法を活用してみてください。

 

きっと、これまでよりも喜ぶ表情が見れると思います。

 

1.経済学的に考える:お金か商品券
2.心理学的に考える:自作のプレゼント
3.統計的に考える:相手の欲しいものを送る

 

主な参考書籍はこちらです。