仕事選びの際に、福利厚生を重視する人は多いと聞きます。
しかし、私は「福利厚生って、そこまで大切じゃないよね?」と思っています。
福利厚生には、大きく3つの種類があります。
1.あると助かる福利厚生
2.あっても良い福利厚生
3.無くても良い福利厚生
基本的に、企業の福利厚生は給料の一部とも考えることができます。つまり、お財布は一つで、どこに分配するか。です。
今回は、そんな企業の福利厚生のメリットとデメリットについて、考察します。
- 福利厚生とは
- そもそも、福利厚生が充実しているより給料が欲しい
- 福利厚生は分配に問題がある
- 1.あると助かる福利厚生
- 2.あっても良い福利厚生
- 3.無くても良い福利厚生
- 福利厚生についての、私の見解「結論」
福利厚生とは
まずは、簡単におさらいです。
福利厚生とは、企業が給料以外に支給する報酬のことです。
会計上の福利厚生など、厳密な定義についてはここでは語りません。
「企業が社員に与える、あらゆる給料以外の報酬」
これを、今回のテーマをして考察をしていきます。
そもそも、福利厚生が充実しているより給料が欲しい
最適なプレゼント選び。のエントリーでも触れましたが、最も万人が喜ぶプレゼントは現金です。
プレゼントとして、商品に変えた時点で、貰い手の感情的な評価額は80%程度になる傾向があります。
福利厚生では、80%以下になるような気がします。
当たり前ですが、自分が欲しいものは、自分が一番良くわかっています。
福利厚生として、企業からのプレゼント(社員旅行や、ノベルティ)をもらうよりは、その費用を現金でもらった方がありがたいはずです。
福利厚生は分配に問題がある
福利厚生が充実していると聞くと、良い会社の印象がありますよね?
・社員用のジム
・社員旅行
・送迎バス
・移動式美容室
・会社借り上げの旅行施設
など、あればあるほどうれしいと感じる人もいます。
しかし、使わない人からすると不平等になります。
例えば、給料が50万円の2人の人がいるとします。
Aさん:給料50万円
Bさん:給料50万円+社員用ジム(2万)+送迎バス(1万)+社員旅行(3万)
こう考えると、不平等が生じます。これらの福利厚生分を給料として支給し、ベースアップ(賃金のベースラインを上げる)をすれば、不平等は減ります。
さらに、使いたいものに、現金を使うことができます。
1.あると助かる福利厚生
基本的に、福利厚生は充実してなくても良いと思っている私ですが、もちろんあると助かる福利厚生もあります。
・社員食堂とそのクオリティ
・ウォーターサーバーや安い自動販売機
・キレイなトイレと紙
・キレイで広い会社
・座り心地の良い椅子
・企業専用の保育所など
など、こういった仕事で使うものや、生活に必要なもの。については、充実している方がありがたいです。
最低でも、1日8時間×20日間。160時間/月を過ごす社内での生活に必要なところは、大切です。
一説によると、自分の席から窓(外)が見える人は
・仕事のストレスが低い
・仕事への満足感が高い
・仕事の成果が高い
などのメリットがあり、Appleなどの企業が取り入れているようです。
また、その会社専用の保育施設などがあれば、子供がいる人の働きやすさが大幅に改善します。
通勤と、保育施設への送迎が一緒になれば、時間も浮きますし、安心ですよね?
2.あっても良い福利厚生
あっても良い福利厚生には3つの条件のうち、どれかを満たす必要があります。
1.減税の対象になる福利厚生
まずは、減税対象になる福利厚生です。つまり、1,000万円福利厚生に使えば、そのいくらかが課税対象外となり、節税が出来る福利厚生です。
なぜなら、費用対効果が高いからです。
プレゼントの価値が基本的には80%になる。と考えると、それよりも節税効果があれば、メリットの方が多いと思います。
つまり、プレゼントによる価値低下額<節税効果。
こういったケースは、福利厚生があっても良いと思います。
2.マスメリットが活かせる福利厚生
節税以外にも、マスメリット(取り扱い量が多いから、個人よりも安く買えるようなもの)が活かせる福利厚生はあっても良いでしょう。
・備品
・人間ドックやストレスチェック
・ジムやエステなどの法人契約による利用券発行
など、従業員数が多いからこそ生み出せるマスメリットを活かす、福利厚生は導入しても良いと思います。
3.社員の人生の質が上がる福利厚生
3つ目のあっても良い福利厚生は、社員の人生の質が向上する福利厚生です。
例としてはこちらです。
・健康増進につながるもの
・人生の満足感が上がるもの
具体的には
・スポーツジムやスポーツクラブへのサポート
・睡眠やストレスに関する研修
・健康的な食事の出る社員食堂
これらは、自ら進んでお金を払うことが少ないわりに、人生の質が向上します。
身銭を切って、ジムに行かない人はたくさんいます。でも、会社負担ならたまには通う気になりますよね?
さらに、健康な食生活やメンタルトレーニング。運動は仕事の質を高める可能性もあります。
会社が、福利厚生というインセンティブを与えることで、人の行動が良い方向に変わるなら、あってもよい福利厚生と言えるでしょう。
3.無くても良い福利厚生
ここからは、無くても良い福利厚生です。
それは、参加者(利用者)が限られる福利厚生(※1)です。
※1:出産や育児に関することなど、対象人数が少なくても重要性が高い福利厚生は除きます。
社員旅行や宴会などの福利厚生は、参加者が限られるため、不平等(分配が偏る)といった特徴があります。
また、ノベルティもいらないかな。と思います。私はカタログギフトをもらう方がうれしいです。
もちろん、社風にもよりますが、特定の人にしか価値が無い福利厚生は無くても良いと考えます。
福利厚生についての、私の見解「結論」
今回は、福利厚生のメリットとデメリットについて整理しました。
ここまで書いていて、当初は「福利厚生は不要」と思っていましたが、案外あってもよい福利厚生の方が多いかも?と思ってきています。
もともと、給料の少ない時代に服を貸与するために生まれたとも言われる、作業服など、福利厚生は企業から社員への思いやりです。
さらに
・使用目的を選べる
・会社の収支に合わせて変動させやすい
などのメリットもあります。
何事もバランスが大切です。時代の変化(人の好みや文化の変化)に合わせて、適時改訂していくのが、福利厚生の正しい運用方法かもしれない。
そんな風に思いました。