「あなたの職場の環境は良いですか?」と聞かれて
「みんなが明るく仲の良い会社です。」と言われたら、本当に良い会社か、ブラック企業と言われていますが(私に)
職場の環境って大切ですよね?
とはいえ良い雰囲気の職場で働いている人は少なく思えます。
今回ご紹介する"なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているのか"で紹介されていますが、日本は世界一職場関係がギスギスしている。と言われています。
「これは私の仕事じゃないと言われる。」
「会社に貢献しようと思えない。」
「上司が責任を取らない。」
「自由に意見を言いたくない。」
これは、職場の雰囲気による影響が理由かもしれません。
なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているか。の書評です。作者:沢渡あまねさん。
- 日本の職場は世界一ギスギスしている。の根拠
- なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているのか。の構成
- なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているのか。で分かること
- なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているのか。を読んだ感想:まとめ
日本の職場は世界一ギスギスしている。の根拠
まずは、この本のタイトルにもなっている「世界一ギスギスしている。」の根拠です。
・ISSP(国際比較調査プログラム)が2015年に世界37か国を調査
・職場の同僚との関係性を調査
・良いと答えた人の割合が、37か国中最下位
というような結果になっています。
正直、これだけでは
・37か国だけでは調査母数が少ない
・同僚との関係性だけが、職場のギスギスを生まない
・調査対象人数がわからない(別途エビデンス確認が必要)
など、いくつか思う所がある調査です。
とはいえ、別の調査で社員のエンゲージメント(貢献したい気持ちややる気)を20か国で調査した結果も、日本は最下位でした。
これらの調査の解釈としては「世界一かはわからないけど、先進国では相対的に職場の環境は悪そう。」というところでしょうか。
実体験的には、日本の職場環境を最高とは思えない
とはいえ、実体験的には「日本の職場は最高。」と思える人は少ないかと思います。
・長時間の通勤
・サービス残業
・上司の言うことに逆らえない
・失敗すると、昇進が遠のく
・結果を出しても評価されない(年功序列)
・男性優位の職場環境(特に評価)
などなど、あなたも「これは間違っているよな。」と思いつつも、どうしようも無いと思っていることがあるかと思います。
もちろん、全ての問題を解決することは難しいかもしれません。
それでも、問題を理解して解決策を知れば少しずつ改善出来ます。
こういった人は、なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているのか。を読んで学ぶことがあるかと思います。
なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているのか。の構成
なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているのか。は3章で構成されています。
1.環境によるギスギス
2.スキル・メンタリティによるギスギス
3.制度によるギスギス
これら3つのギスギスに対して、それぞれの対処法が紹介されています。
なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているのか。で分かること
この本で分かることはシンプルです。
それは「職場の問題を言語化して理解できる。」ことです。
各章についてカンタンに要約していきます。
1.環境によるギスギス
まずは、職場環境によるギスギスです。
・人が辞めていく
・情報がみんなに行き渡らない
・上司が現場を知らない
・相談しにくい
・部門間の連携が取れない
・テレワークを監視される
・物理的環境がよくない
誰しも一つは、あるある。と思うようなことが列挙されています。
これらを逆にするのが、主な対策となりますが、基本的には「上司の命令でみんな一緒に仕事をする。」という方法を変える必要があります。
・個人が考える余地を作る
・みんなが自発的に行動する
・監視や管理を減らす
・働きやすい職場を作る
根性や気合で仕事をしても、良い結果が出ないことは科学が証明しています。
楽して良い結果が出るのが一番正しい働き方ですが、それを許容できていないのが日本でしょう。
「あいつはいつも定時で帰る。」
「楽しそうに仕事をしている⇒危機感が無い。」
などと言っているようでは、職場環境の改善は見込めません。
2.スキル・メンタリティによるギスギス
スキルやメンタリティ(考え方)によるギスギス感も問題です。
・雑用が多い
・新卒一括採用
・非正規雇用者の待遇が悪い
・新しいチャレンジを嫌う
・確認やチェックが多すぎる
一つの書類を共有するのに、たくさんの承認が必要だったり、中途社員の教育が甘い職場はたくさんあると思います。
また、減点方式の評価制度も職場環境を悪化させます。
減点方式の場合は、努力(チャレンジ)をいかにしないか。が昇進の重要要素となります。しかし、チャレンジしない会社は衰退の道をたどります。
「チャレンジしないと会社が苦しいけど、ミスしたらキャリアがつぶれる。」
これが、日本のサラリーマンが抱えるジレンマ。
新しいチャレンジは、結果が予測できません。事前に用意できるデータは少なく、他社事例がわからないケースもあります。
そんな時、減点方式で勝ち上がっていった上司からのゴーが出ない。それが、日本企業の特徴です。
この辺については「天才を殺す凡人」で、より詳しく学べます。
3.制度によるギスギス
最後は制度によるギスギス感です。
・毎日出社が必要。
・フレックス制度が未熟
・時短勤務など、自由な働き方が出来ない
・自分が動いても会社が変わらない
かつて「24時間働けますか。」という、今では理解のできないコピーが生まれたことがある日本。
・毎日出社できる
・休日の接待に対応できる
・朝早く、夜遅く帰る
そういった社員が、いまでも評価されているのが実情です。
どんなに能力が高くて、高い成果を出せる人材でも、時短勤務しかできない人に良い仕事は与えられません。
日本では、そういった優秀だけど日本の職場に制度に合わない人がたくさん居るはずです。
特に、こういった人材です。
・家庭のある人
・子育て中の人
・産休や育休明けの人
・介護がある人
当然ながら、フルタイムで働ける凡人よりも、時短勤務しかできない逸材の方が会社に与える利益は大きくなります。
柔軟な思考が出来ないだけで、最高の頭脳を取りこぼしているのが日本の現状と言えるでしょう。
なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているのか。を読んだ感想:まとめ
この本を読んでとにかく感じたのは「わかる。わかる。わかる。」です。
職場問題のあるあるが列挙されているので、思わずうなずきながら読んでしまいます。
今よりもっと、たくさんの人が日本の職場問題を理解することで、本当の働き方改革が実現する。と感じさせられました。
とはいえ、この本を読むだけだと「傷のなめ合い」にもなりかねません。
どんな時でも、問題や課題に対しては対策を考えていく必要があります。
ぜひ、前向きな気持ちで”なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているのか”を読んでもらいたい。と思います。