ブログを書いている時に、おすすめの商品を紹介することがありますよね。
もしくは、ライフスタイルなどの提案でも「一押し」のモノがあったりしますよね?
せっかく、自分の意見を外に発信しているなら「これが一番」とあなたが思うものの、魅力を伝えたくないですか?
それは、収益だけでなく「自己満足」の観点でも重要だと思います。
一押しのアイテムを最も魅力的に見せるためには、心理学を活用した「並べ方」が重要です。
・売り上げ高が上がる商品の並べ方
・通したい提案を魅力的に見せる方法
今回は、この2つをご紹介します。
もちろん、普段の仕事でも活用できる方法なので、知っていて損しない知識かと思います。
今回の参考書籍はこちら。「影響力の科学」
売り上げ高が上がる商品の並べ方
まずは、売り上げ高が上がる商品の並べ方です。
察しの良い人なら「あれ、売れるでは無く、売上高なんだ」と思うかもしれません。
そう、これは販売数では無く、売上高を上げる並べ方です。
方法はシンプルで高い順に並べる。だけです。
ちなみに、成約率を上げるなら何十個も並べるよりは、複数個にした方が成約率は上がります。(選択が簡単になるので。)
商品の並べ方の具体例
具体的には、ブログなどの媒体で、ワインを紹介する場合は「高いモノから」紹介します。
・Aワイン:10,000
・Bワイン:8,500
・Cワイン:4,000
・Dワイン:3,200
・Eワイン:2,000
こうやって展示されると「CかDくらいにしようかな」と思わされます。※お手頃でちょうどいい価格に見えます。
これを逆にすると、2,000円のワインが基準値になるので、高いワインを買う気になりません。
高い順に並べると売上高が伸びる理由
では、なぜ高い順に並べる方が売り上げ高がのびるのでしょうか?
それは「知覚のコントラスト」という現象が起こるからです。
つまり、直前に経験した出来事によって、その後の印象が変化する。ということです。
最初に高い商品を提案された後は、その後の商品の価格が安く感じれます。
知覚のコントラストは身近な場所でも起こっています。
コンビニに、お気に入りのコーヒーを買いに行って「すみません。先ほど売り切れてしまって。」と言われたとします。
他のコーヒーを選んで、レジに並んでいたら「すみません。商品がちょうど届きました。」と言われたらどう思いますか?
嬉しいですよね。それも、いつも通りコーヒーを買う時より。
つまり、そういうことです。
知覚力については、こちらから。(個人的には、今最も注目している能力です。)
通したい提案を魅力的に見せる方法
続いて、通したい提案を魅力的に見せる並べ方です。
例えば、長期連休中のお子さんに本を読ませたいとします。
その時に「本を読みなさい」と言っても、なかなか読書に取り組んでもらえないかと思います。
そんな時は、複数案提案してみましょう。
「ねえ、そろそろなにか勉強でもしてみない?」
「3つから選んでいいよ」
「①毎日宿題を2時間やる②毎日塾に行く③毎日好きな本を2時間読む」
本を読んでもらいたい場合に限りますが、一押しの案を最後に提案します。
この場合の注意点
この方法も、人の行動を変える力がありますが、使い方が重要です。
それは
「最後の提案(一押し)よりも、悪い提案を事前に行う」
人は誠実なので「こんな案じゃ採用されないよな」と思う案は、提案しません。
しかし、重要なのは、最初に悪い提案をあえて実施することです。
これも、商品の並べ方と全く同じで、知覚のコントラストを採用しているからです。
最初に悪い提案をすると、それが基準値になります。次に最初の提案よりも良い提案をすると「さっきの提案よりいいな。」となります。
本当は、最初の提案を考えず、それぞれ独立して考慮すべきですが、それは難しい作業です。
人の思考回路は2つあります。
①一瞬で判断する「勘や習慣」
②熟考して判断する「理性的判断」
大半の判断は①の思考で判断されています。だからこそ、知覚のコントラストが活きます。
それでも並べ方は、自分のやりたいようにすれば良いと思う
最後に結論です。
私は、ブログで商品を紹介する時、知覚のコントラストをあまり重視していません。
理由は2つあります。
・メンドクサイ
・おすすめ順の方が読みやすい
そもそも、紹介する商品が数個なら良いですが、たくさん紹介する時は並べ方の検討が少しめんどくさいです。※一番最初だけ高めの商品を置くだけでも効果はあります。
また、もし順番を決めるなら「おすすめ順」の方が読みやすいかな。と思っているからです。
時には私も使っている(はず)の、並べ方の心理学ですが、あくまでブログは趣味でやっている人がほとんどだと思うので、楽しく続けられるようにするのが一番です。
継続した先に、影響力や収益がおまけでついてくれば良いと思います。
とはいえ、車のディーラーに行ったり、レストランでワインリストを見ていると「安い順」で並んでいることが多いです。
こういった仕事の場合は「高い順」もしくは、最初は高めの展示。が良いのになー。といつも思ってしまいます。
最初に軽自動車を提案されたお客が、大型SUVに乗る可能性は低いからです。
大型SUVを最初に提案されれば、中型SUVくらいが欲しくなると思います。
知覚のコントラストは使うよりも、使われないようにすること
結局何が言いたいの?と思われそうな提案でしたが、最後に本当に伝えたいこと。
それは、知覚のコントラストは「人に使われる」よりも「人に使われない(操られない)」ようにすることが大切です。
・家を買う時
・リフォーム
・車を買う時
・高級なお店に行った時
・保険を契約する時
等々、高いお金が動く時は、知覚のコントラストが採用される場合が多いです。
もちろん、買ったモノに満足できればそれでいいです。
しかし、人に心を操られて買いたくないモノ(高すぎるモノ)を買ってしまうのはだめですよね。
心の防御力を高めるには、攻め方を知っておくべきだと思います。
影響力の武器を知らない。ということは、目隠しで剣道の試合をするようなものです。
気付いた時には、一本取られています。