学割システムはたくさんありますよね?
・スキー
・カラオケ
・ごはん屋さん
・スマホ(通信会社)
・遊園地
とっくに学生で無くなった私には羨ましい限りです。
ご存知でしょうか?
学割を行うには企業にメリットのある合理的な3つの理由があります。
「学割ってお金の無い学生のためにある。」
「同じ原価なのに、なぜ学割が存在しているかわからない。」
「学割って深い意味無く作られたシステム。」
こんな風に思うかもしれません。たしかに、学割というのは、不思議なシステムにも思えます。
本来、お金をもっている「はず」の大人向けにキャンペーンをした方が、企業としては合理的な選択に思えます。
しかし、これらの理由により、学割には意味があります。
1.価格弾力性
2.ファミリー需要
3.将来の顧客獲得
今回はそんな学割と企業のメリットについてご紹介します。
企業が学割を行う3つ理由「メリット」
ここからは具体的に、企業が学割を行う合理的な理由をご紹介します。
合理的。というだけあって、ビジネスとして収益が向上するような理由です。
1.価格弾力性的に学生は価格に敏感に反応する
価格弾力性とは、経済学用語です。※正しくは需要の価格弾力性。
これは、価格の変動がどれだけ消費に影響するか。ということを示す値です。
例えば、ガソリンや電気代、スマホ通信費は価格弾力性が低いと言われています。
これらの費用が高くなっても、使う量を劇的に減らすことは難しい。つまり、価格が上がっても消費量に与える影響が小さいものを、価格弾力性が低い。と言います。
ざっくり言えば、生活必需品は価格弾力性が低い傾向にあります。
逆に、これらは価格弾力性が高い傾向にあります。(値上がりすると消費量が減る)
・ブランド品
・不動産
・趣味嗜好品
価格弾力性とは、買う(利用する)ものだけでは無く「誰が支払うか」によっても影響を受けます。
そもそも、学生と大人では価格弾力性に違いがあります。
学生は価格弾力性が高い消費者「お金が無いから」
大人と比較して、学生は自由に使えるお金が少ない傾向にあります。
可処分所得が少ない学生だと、わずかな値上げが大きなインパクトを与えます。
「お金が無いから、ラーメンを大盛にしない。」
「金欠だから、カラオケじゃなくて公園でデートする。」
「電車代が高いから、親に送ってもらう。」
あなたも学生の時、こんな経験をしているかもしれません。
つまり、企業からすると学生に対しては値引き(学割)をしないと需要が望めません。
結果、学生に商品やサービスを売るために学割は存在します。
当然ながら、利益を出すためには売り上げが必要です。売り上げが全くない状態で、どんなに原価を改善しても利益は出ません。
しかし、売り上げさえあれば、そこから利益を生み出せる可能性があります。
さらに、これからご紹介する2つの理由にも関連して、学割は必要なサービスです。
2.ファミリー需要を取りこぼさない
お子さんのいる人なら、容易に想像できると思いますが、こどもと一緒に行動するとお金がかかります。
お子さんが2人いる場合、夫婦で行動する倍の費用が必要になるケースもあります。(大人2人費用+こども2人費用)
その場合は、旅行をしたりレジャーに行く金銭的なハードルが上がります。
だからといって、ファミリー層の需要(売り上げ)を失うと企業はビジネスが成り立たないケースがあります。
そのため、学生向けの価格を安くすることで、ファミリー需要を高めています。
多くの場合、学生以外=社会人という構図になるため、学生のお子さんが居ないファミリー需要に対しての値引きは不要です。
3.将来の優良顧客獲得
最後に、将来の顧客獲得。という観点でも学割にはメリットがあります。
学生は将来社会人になりお金を稼ぎ、未来の顧客になります。
その時、学生からなじみのあるお店は有利です。
人には、現状維持バイアスという心理傾向があります。これは「今」を維持することを優先する思考です。
お店に対しても同様で、学生のころからなじみのある場所は心理的なハードルが低く、選択肢として選ばれやすい傾向にあります。
「学生のころから通っているおみせ。」
「青春時代に食べていたご飯をまた食べたい。」
「スマホの契約を変えるのが面倒。」
こんな風に、長期に渡ってお客様になってくれるのが学生です。
寿命計算で考えれば、学生のころに値引きをしてお客として確保しておくことは長期的なメリットがあります。
つまり、学割は学生と企業にメリットがあるシステム
これまでご紹介した3つの合理的な理由により、学割はwin-winなシステムと考えることができます。
1.価格弾力性
2.ファミリー需要
3.将来の顧客獲得
世の中にある仕組みのほとんどは合理的な意味や価値があります。
学割についても、同じように意味があるシステムです。
ちなみに、レディースデーも合理的「広告費削減」
余談ですが、レディースデーも企業に合理的な目的があります。
それは、女性の方が口コミによる宣伝効果が期待できること。
当たり前ですが、広告費の出費は大変です。
しかし、レディースデーを設けて、わずかな値引きやサービスをすることで、お客さん(女性)が広告塔になってくれます。
「このまえ、新しくできたイタリアンに言ったら美味しかった。」
「あそこのマッサージ、凄く丁寧でよかった。」
「隣の人が美味しいと言っていた。」
こんな風に、口コミという無料の広告が広まっていきます。
このシステムに近いのが試供品です。
試供品も宣伝効果が高く、広告よりもコスパが高い傾向があります。
もちろん、レディースデーや試供品にもお金がかかります。
しかし、広告費と比較すれば合理的な選択肢となります。
なぜ学割があるかがわかる。3つの合理的な理由「まとめ」
今回は、学割の存在理由についてご紹介しました。
日常にある当たり前のことにも、きちんとした理由がある。というのは面白く感じます。
マーケティングを理解すれば、日常の様々な仕組みについて理解することが出来ます。
最後に、そんなマーケティング本をご紹介して、結びとします。
もし、マーケティングについて関心があれば読んでみてください。