今回は、「人生二毛作」のすすめ。の書評・レビューです。※作者:外山滋比古さん
私の感想としては、日本版LIFE SHIFTでした。LIFE SHIFTといれば、言わずと知れた世界のベストセラーです。
私もライフシフトを読んでみました。非常に勉強になる本でおすすめです。しかし、少し難解な部分があり、読むのに時間がかかります。
一方、「人生二毛作のすすめ」は、非常に読みやすく、たった1時間程度で読むことができます。
「本を読むのが苦手」
「LIFE SHIFTが読み切れなかった」
そんな人におすすめできる本です。人生について考えるタイミングは、今かもしれません。
ライフシフトと人生二毛作のすすめの違いと類似点
もちろん、作者の外山さんも、ライフシフトを意識して書いているわけではないので、内容が完全に一致することはありません。
※そもそも、日本では約6年前に人生二毛作のすすめ。が発売されています。
・人生二毛作のすすめ:2010年3月第一刷
・ライフシフト:2016年11月第一刷
※2015年2月に、加筆・修正・タイトル変更となり、現在は「50代から始める知的生活術 人生二毛作の生き方」になっています。
内容の変更はありますが、新品の本が読みたい人は、50代から始める知的生活術 人生二毛作の生き方。の方が入手しやすいと思います。
しかし、ライフシフトと同様に、これらの内容について考えることができる点が魅力です。
・80年、90年生きる人生を想像しないといけない(ライフシフトでは100年)
・若いうちから、貯蓄や資産形成をするべき
・50歳、60歳で新しい仕事をできるスキルがあるといい
人生二毛作。というのは、仕事だけに限りません。「一つの仕事」だけでなく、これら、他の活動をすることについて、考えるきっかけになります。
・他の仕事をやってみる
・プライベートを充実させる
・新しい人間関係を作る
ライフシフトでは、仕事のスキルが60歳過ぎてもそのままの形で使えない。そのため、自ら勉強したり、新しい仕事にチャレンジすることについて書かれています。
一方、人生二毛作のすすめでは、定年まで勤める仕事以外の選択肢があると良いよ。という内容なので、あくまで選択肢を増やす活動についてのすすめです。
優しく背中を押してくれると思います。
内容が完全一致するわけでは無いですが、人生100年時代(長生きする可能性の高い時代)について、考えるきっかけとなる本です。
とにかく、人生二毛作のすすめは、読みやすい点が魅力です。
人生二毛作のすすめを読んで特に感銘を受けた5つの場所
ここからは、人生二毛作のすすめ。のレビューをしていきます。
このブログでは、特に、感銘を受けた点を5つご紹介します。
40代になったら、将来の仕事を考える
・40代になったら次の仕事について考える時期
・人生の後半戦で打ち込める仕事を探す
・探す期間を考えると、40代が良い
・今の仕事と関係ない方が、人生の彩りが増える
人生が、80年、90年と長くなる場合は、定年後の人生がこれまで以上に長いです。
そのため、新しい仕事にチャレンジして、人生に今までと違う色合いを入れることについて、考えることができました。
確かに、40代というタイミングはちょうどいい時期で、自分に合う仕事を探す期間を踏まえると、定年後では、少し忙しいと思います。
また、あえて違う仕事にチャレンジする。というのも、人生の彩りを増やす点では、魅力です。
他にも、知識のレンジが増えるので、仕事の能力が上がる可能性もあると感じました。
※幅広い知識を身に付けることで、変化の多い時代で活躍できると思います。理由はこちらから。
本で学びたい人は、こちらがおすすめです。
第二の人生に備えた資金作りは30代から
・30代で安心できる資金を得ることは難しい
・それでも、資金について考えることは大切
・株式投資にはメリットがある
人生二毛作のすすめ。でも、常識的に考えて、30代で安心できるほどの資金が作れるとは、考えていない。と書かれています。
確かに、その通りですが、お金について考えることは、未来について考えるきっかけになります。
作者の外山さんは、ご自身が株式投資をしているので、この本では株式投資についても少し触れています。
株式投資をすれば、資金が安定するとは言えません。しかし、社会情勢について考えたらり、お金について考えるきっかけにはなると思います。
もし、株式投資に関心があるなら、こちらの2冊がおすすめです。
心のエコノミークラス症候群
・心にもエコノミー症候群がある
・引退後の男性は家を空ける時間をつくるべき
・妻の内助の功に頼ってはいけない
心にもエコノミー症候群はあり、家から出ないとなんとなく息が詰まることになる。
また、引退後の男性こそ「毎日が日曜日」ではなく、家を空ける時間をつくり、外の空気を吸うべき。⇒家にずっといても、家族の迷惑になることもあるから。
また、これまで仕事でお金を稼いでいたものの、仕事が無くなったら奥さんに頼り切ってはいけない。
適度に外にでて、自分の人生の二毛作を楽しむ。そんな生活が重要だと感じました。
おすすめは散歩です。
ひとあじ違うことをやってみる
・私的な会合でおしゃべりをする
・仕事でのかかわりの少ないひとと関わる
人との会話をすることが、前向きに生きるための秘訣。と考えられているようです。確かに、仕事を引退してから、最初に辛く感じるのは
「人と関わる回数が大幅に減る」
ということかもしれません。
また、仕事で関わった人や、関連する仕事をしていた人よりも、これまであまりかかわりのなかった人とのコミュニケーションが推奨されています。
これは、無理に張り合ったり、同じような内容の会話にならないようにするため。とのことでした。
「緩やかなつながり」といわれる、自分の仕事や友人関係から離れている人の方が、良い情報を得られる可能性は高いようです。
なぜなら、近い人は持っている情報が近い可能性が高く、緩やか(少し遠い)関係の人の方が、持っている情報の種類が自分と異なる可能性があるからです。
忘却は天の恵み
・物忘れを嘆くのは、精神衛生上好ましくない
・忘れられることはメリット
・時間は嫌なことを洗い流してくれる
物忘れに対して、ポジティブにとらえている点が素敵だと感じました。
実際、どうしても人は忘れてしまいます。その傾向は年を重ねるごとに加速します。
そんな「忘れる」ということを、嫌なことを忘れさせてくれる。天からの恵みだ。と考えることができれば、もっと気楽に生活できるかもしれません。
あらゆる出来事には良い面も悪い面もあります。その事実に気づかせてくれる貴重な本です。
人生二毛作のすすめレビュー・書評【まとめ】
今回は、外山滋比古さんの「人生二毛作」のすすめ。についてレビューしました。
非常に読みやすく、また、老後の人生を精神的に豊かに過ごすためのヒントがもらえます。
「まだ老後なんて先」
そう思うかもしれません。しかし、まだはもうなり。もうはまだなり。です。
まだ大丈夫。そう思った時こそ、始めるのに最適なタイミングです。