社会常識や、なんとなく正しいであろう方向性。一般社会の「なんとなくみんながそうしている」を否定してくれる本です。
個人の意見で、エビデンに基づく内容ではないのに、言葉が突き刺さるのは、自分が思考停止で流されているから。だと思いました。
「なんとなく普通を大切にしている」
「常識に縛られている気がする」
「自己表現が苦手」
そんな人は、個性的で自分らしく生きた岡本太郎さんの言葉が、心に突き刺さると思います。
芸術家を生業としていただけあって、かなりの「リスクテイカー」です。しかし、挑戦が苦手な人にとっては、強力に背中を教えてくれると思います。
自分の中に毒を持て で語られる4つの項目
基本的には、エッセイのような形で、岡本さんの考え方や思考を読み進める本です。
基本的には4つの項目に分かれています。
①意外な発想を持つ必要性
②個性の出し方
③愛
④常識人間を捨てること
正直、項目に意味がある。と言うことよりも「書かれている内容それぞれ」に価値があります。
これらの項目は「切り取り方」の問題で、一貫して語られているのは自分がどう感じ、どう表現するか。そして、どう生きるか。だと感じました。
自分の中に毒を持てで感銘を受けた5つの場所「抜粋」
ここからは、自分の中に毒を持てで、特に感銘を受けた点を5つご紹介していきます。
正直、このブログだけでは紹介しきれないくらい、刺激を受けました。もちろん、全てを実践しようとは思わないですが
「こんな考え方があるんだ」
という発見は貴重な経験がでした。
モノマネ人間には何も見えない①
書かれている内容を一部要約するとこちらです。
・日本ではオリジナリティが許されない
・人間にとっての成功とは、夢に向かって努力すること
・夢に向かって努力してダメならダメで良い
・ぶつかる前から諦めるのは自分の存在を失っている
日本になんとなく広がる「出る杭は打たれる文化」や「安全志向」を真っ向から批判しています。
「チャレンジしないなら、自分じゃない」
この考え方には共感です。確かに、一生のうち何事にもチャレンジしないのなら「自分じゃなくてもいい」ともいえるかもしれません。
もちろん、バランス取りは大切なので「全てを賭けて」のチャレンジは出来なかもしれません。それでも心意気だけは全てを賭ける気持ちでいたいと感じました。
捨てる主義のすすめ②
書かれている内容を一部要約するとこちらです。
・続かなかったら続かなかったでいい
・3日坊主でも構わない
・今はまだダメだけど、いずれ と言わない
・現在の自分に責任を取らないから懐古的になる
・自信なんてどうでもいい
自信や実力なんてどうでもいい。チャンスが無ければしょうがない。それでもチャレンジをするべきだ。
未来とか、過去よりも"今"をもっと考えるべき。それが、岡本太郎さんの意見として、ここでは書かれています。
確かに、「上手くやりたい」「完璧主義」「失敗したくない」と思うと、チャレンジできなくなります。
完璧主義こそ、人が努力できない理由かもしれません。「どうせ完璧じゃないなら、努力しなくていい」そんな風に思えるからです。
好かれるヤツほどダメになる③
書かれている内容を一部要約するとこちらです。
・生きることを真剣に考えたら、人は内向的になる
・強い性格になりたいなら、自分が内向的なことを気にしないこと
・自分を大事にしているから、思い悩む
人に好かれようと思うのは、結局人のためでは無く「人に好かれている自分」になるため。
そんなことは無意味で、自分の人生を生きるべき。そんな風に感じました。
確かに、私たちは「人からどう見えるか」ばかりを意識して「自分がどう思うか」については、無頓着かもしれません。
自分を大切にするということは、自分自身についてもっと真剣に考えることかもしれません。
きれいになんて生きてはいけない④
書かれている内容を一部要約するとこちらです。
・美しいというのは無条件で絶対的
・いいわね はどうでもいいわね
・芸術でダメなことはキレイ・うまい・心地よい
岡本太郎さんの芸術や美についての考え方が伝わります。
キレイで整ったものより「心にグッとくるもの」でなくてはいけない。美しいなんて「型」で時代で変わる。
本当の芸術や美は、言葉や解説は要らないのかもしれません。
爆発の秘密⑤
書かれている内容を一部要約するとこちらです。
芸術についての考え方、社会について感じること。岡本太郎さんが考える芸術や世界への見方を感じることができます。
あらゆることに対して、自分の考え方がある。のが独立して、自分の頭で考え続けた人なのかもしれません。
「自分の中に毒を持て」刺さる岡本太郎さんの言葉「まとめ」
今回は、本レビュー・書評として、岡本太郎さんの「自分の中に毒を持て」をご紹介しました。
毒味も存在感も、自分の考えも無い人より、毒と存在感と自分の考え方がある人の方が、「生きている」感じがしました。
当たり前のように生きて、身に付けてきた「常識」を見つめ直すきっかけに、自分自身の考え方を整理するきっかけになる本だと思います。