今回は、買った本と借りた本で集中力が変わる理由についてご紹介します。
本を読むという行為は変わらないのに、インプットの質が変わります。その理由はたった2つです。
・認知的不協和
・保有効果
これらの理由によって、自分の身銭を切って買った本の方が集中力が高まります。
「図書館で本を借りたけど、読まずに返してしまった」
「なんとなく、読書に熱中できない」
その理由を、2つの心理的な理由からご説明していきます。心理学の勉強にもなると思うので、是非、ご覧ください。
- なぜ、買った本の方が集中して読書ができるのか
- 借りた本でも、集中して読める方法【アイデア】
- 買った本が、ダメだった時の諦めも大切 【認知のデバイアス】
- 買った本が集中できる2つの心理的な理由【まとめ】
なぜ、買った本の方が集中して読書ができるのか
まずは、買った本の方が集中して読書ができる2つの心理学的な理由をご紹介します。
あなたも、買った本や買ったゲームの方が集中したり、なんとなく大切にできたりした経験があると思います。
この理由を知れば、特に集中して読みたい本を買うモチベーションになると思います。
認知的不協和
まずは、認知的不協和です。認知的不協和とは、自分が認知(信じている)ことに対して、その反証となる理由を排除したくなることです。
例えば、Aさんのことを「信頼できる」と思っているとして、その人が、不正をしている所を見たとします。
その時は、つい、こんな風に考えてしまいます。
「Aさんにも、何か事情があったはず」
「いつもは、そんなことないから、あの人は信頼できるはず」
それが、認知的不協和です。つまり、自分が信じていることを逆のことを、理解したくない気持ちです。
もちろん、逆の例もあります。今度は、Bさんを嫌いだったとします。そのBさんが、人を助けているとこんな風に思うことがあります。
「Bさんには、何かたくらみがある」
「好感度を上げたいだけだと思う」
これも、認知的不協和の一例です。
認知的不協和が読書の集中力につながる具体例
この、認知的不協和が読書の集中力につながる理由はこちら。
「せっかく買った本だから、集中して読みたいはず」
「お金を払うくらい価値のある本のはず」
そんな風に思います。その結果、読書に対して前向きになることができます。
つまり、ちゃんと集中した本の場合は、自分で購入した方が、モチベーションを後押ししてもらえます。
お金を払って買った本に、価値が無いと思いたくないからです。
保有効果
続いてご紹介するのは、「保有効果」です。
これは、自分の所有している物の価値を、実際よりも「高め」に見積もるバイアスです。
例えば、今あなたが来ている服やアクセサリーをいくらで売るでしょうか?
ざっくりで良いので、想像してみてください。
では、その服をもう一度購入するなら、いくらで買うでしょうか?※もちろん、同じく中古です。
おそらく、買いたい値段<売りたい値段になったと思います。3,000円もらわないと、売れないと思った服を、2,000円で買いたいと思ってしまいます。
なんとなく、イメージがつかない人は、家電でも、スマホでも良いです。想像してみてください。
この、自分の持っている物を手放すコストを、高めに積み上げるのが保有効果です。
保有効果が、読書の集中力につながる理由
では、その保有効果が読書の集中力につながる理由です。
・購入前の本の価値
・購入後ん本の価値
保有効果を踏まえると、どちらの本の方に価値があるでしょうか。もちろん、「購入後」です。
つまり、買った本の方が価値が、購入前よりも価値が高く感じます。その結果、いままで以上に本を大切に思えます。
その結果、買った本の方が、借りた本よりも集中して読書ができます。
借りた本でも、集中して読める方法【アイデア】
とはいえ、読みたい本を全て購入したら、お金も場所も足りなくなる可能性が大きいです。
そんな場合は、3つの対処法があります。
①20秒ルールを活用する
②読書中の邪魔を排除する
③音読をする
20秒ルールとは、「何かを始めるまでの時間を短縮することで、やる気を上げる方法」です。
本を読み始めるまでの時間を1秒でも縮めることで、読書の頻度が増えます。詳しくは、こちらから
また、読書中には多くの邪魔が入ります。バイアス・時間・スマホなど、あらゆる邪魔が入ります。
その邪魔を適切に排除する方法は、こちらから
最後に、音読がおすすめです。「音読なんて、小学生まで」と私も思っていましたが、記憶力向上の観点でも、音読は有利です。
こちらも、詳しくは、こちらをご確認ください。
買った本が、ダメだった時の諦めも大切 【認知のデバイアス】
とはいえ、認知的不協和や保有効果が、マイナスの側面を持つことがあります。
それは、どちらも、「買った本を過剰に高く評価する」可能性があるからです。
つまり、買った本がダメだった時は、すっぱりと諦める必要があります。その対策は、こちらで詳しくご紹介しています。
自分の心理状態を適切にモニタリングして、バイアスに囚われないようにしてください。
「この本、買ったけどあまり良くない」
そんな風に思ったら、まずは、他の本を読んでみましょう。買った本なら、いつでも読み返せるので、今すぐ読む必要はありません。
買った本が集中できる2つの心理的な理由【まとめ】
今回は、買った本の方が集中できる理由について、ご紹介しました。
図書館などを活用して、読書の幅を広げることにも、価値があります。
それでも、やはりしっかり身に付けたい知識は、自分で買って、何度も読み返すのがベストです。
買う・借りる。この選択が適切にできれば、もっと読書効率が上がると思います。