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小説を映像化するのは失敗なのか?【こんな映像化が理想】

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小説の映像化について、あなたはどう感じますか?

 

「小説の方が良かった」
「原作の方が好き」
「映像化作品が好き」
「小説も映像化作品もどちらも見る」

 

様々な意見があると思います。もちろん、作品というものは「受け取り手がどう感じるか」は自由だと思います。

 

今回は、そんな小説の映像化について自称読書家の私の意見を述べたいと思っています。

 

・映像化は原作をダメにする
・映像化は最悪

 

などのはっきりした意見にならず、申し訳ないのですが、お付き合い頂けましたら幸いです。

  

小説を映像化することに対して思うこと

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小説を映像化することには、製作者側のメリットと、視聴者側のメリットがあると思います。

 

ここまで、小説を原作とするドラマ・アニメ・映画があるのは、利害が一致していることが理由だと思います。

 

小説を映像化するメリット【製作者側】

小説を映像化することによって、製作者サイドには3つのメリットがあります。

 

①市場のニーズが予測しやすい
②舞台の説明を多少省ける
③台本を書くの手間が省ける

 

①市場のニーズが予測しやすい

小説が売れていれば、映像化した場合、一定数の読者が映像化作品を見ます。「本の販売数」と「映画の視聴者数」で考えれば、ある程度相関関係が予測できます。

 

鬼滅の刃が漫画を販売する前に、映画化したら今ほどの人気にはならなかったと思います。

 

例えば、本の購入数の20%が視聴する傾向があれば、100万部売れた本なら20万人が見に来ることが予測できます。

 

もちろん、相関関係から因果関係を導くのは大変ですし、ここまでポジティブに考えることは難しいかもしれません。

 

それでも、話題になった小説を映像化することは、まだ世に出ていない台本から、映画を作るよりはハードルが低い可能性があります

②舞台の説明を多少省ける

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物語で基本的に無駄になる部分は「舞台説明」です。

 

また、舞台説明に手間取ると物語のうま味である、ストーリーに共感してもらいにくくなります。

 

そのため「学生」「サラリーマン」「医者」「警察」などの、舞台のイメージがしやすい作品が、世に多いです。

 

小説を映像化する場合、読者は舞台のイメージができています。そのため、ある程度舞台の説明をしなくても、内容を理解してもらいやすい可能性があります。

③台本を書くの手間が省ける

最後に、台本を「0から作る」よりは「今あるものを改訂する」方が、手間が少ない可能性があります。

 

インスピレーションのタイプにもよると思います。

 

・制約条件が無い中で発想するのが得意
・制約条件がある中で発想するのが得意

 

など、監督によって手間の掛かり具合は前後しますが、人によっては、小説が原作だと0から作るよりは、作品を作りやすい可能性があります。

小説を映像化するメリット【視聴者側】

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また、視聴者側にもメリットがあります。その理由も3つご紹介します。

 

①本が苦手な人でも、話題の本に関する情報を得られる
②小説が好きな人が楽しめる
③理解しやすい

①本が苦手な人でも、話題の本に関する情報を得られる

「この小説が話題!」
「人気急上昇の小説」

 

など、テレビやブログで取り上げられても、読書が苦手な人は、なかなかその本を読むことができません。

 

そんな時、映像化すれば「なら見てみようかな」と思い、流行に乗ることが可能です

 

本を読む気にはならないけど、内容は気になる。そんな人は、映像化の恩恵を得ることができます。

②小説が好きな人が楽しめる

 また、映像化する小説が好きな人も、映像化作品が楽しめます。(そもそも映像化作品が好みの人)

 

「あのキャラクターは○○さんが演じるんだ」
「あの景色を、こんな風に表現するんだ」

 

そんな楽しみもあります。もちろん、これは全く反対の意見の人もいると思いますが、映像化を楽しめる読者がいるのも事実です。

③理解しやすい

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 制作側のメリットでもある「舞台説明が省ける」というメリットが、視聴者にもメリットになります。

 

小説を読んでいれば、舞台背景については理解できているので、映像化作品の内容が頭に入ってきやすいです。

 

結果的に、本題のストーリーに集中できて、内容が理解しやすくなります。

小説を映像化する2つのデメリット

 では、小説を映像化するデメリットは何でしょうか。

 

私が考えるデメリットはこちらの2つです。

 

①小説の世界を描ききれない
②想像と実写化のギャップ

①小説の世界を描ききれない

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まずは、小説の世界を描き切れないことです。

 

それには、2つの理由があります。

1.時間が足りない
2.感情の表現が難しい

 

特に、映画の場合は顕著ですが一冊の本を、2時間程度の映画にまとめるのは不可能です。

 

そのため、どうしても割愛をする必要があり、内容が原作と比べて薄くなりやすいです。

 

また、小説では比較的簡単にできる「感情表現」が難しいです。登場人物の思っている複雑な感情を、映像で表現をするのは難しいと思います。

 

そのため、原作を読んでいる人からすると「物足りない」と感じる可能性もあります

②想像と実写化のギャップ

さらに、小説を読んで、頭の中で映像化した内容と、映像化作品のギャップもあります。

 

当たり前ですが、どちらも自分の頭で想像しているので、見え方が完全に一致することはありません。

 

結果的に、思っていた絵と作品が違って、のめり込めない。となります。

 

もちろん「自分の想像より良かった」となる可能性もあるので、一概には言えないですが。

私が考える理想的な小説の映像化

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メリットも、デメリットもある小説の映像化ですが、私の理想はたった一つです。

 

「小説を題材にした、アナザーストーリーが見たい」

 

個人的には、小説を映像化する場合はメリットよりは、デメリットが気になります。

 

特に、原作⇒映像化の場合は、その傾向が顕著です。

 

一方、映像化から先に見た場合は、「オチがわかっているから小説はいいや」となります。

 

面白い小説は無数にあるので、どうせなら終わり方がわからない「映像化されていない本」の方が、ワクワクしながら読めるからです。

 

そのため、小説の舞台を有効活用した、アナザーストーリーが個人的には理想です。

小説の舞台を題材としたアナザーストーリーの魅力

小説の舞台を題材としたアナザーストーリーの魅力はこちらです。

 

・小説も映像化もどちらも楽しめる
・小説を読んでいない人も、読んでいる人も楽しめる
・小説を映像化する時のデメリットが無くなる 

 

こちらでもご紹介したように、気に入った本やストーリーを何度も体験できるのは最高です。

 

小説でも、シリーズモノなら、そんな楽しみ方があります。(おすすめのシリーズモノ小説はこちらから)

www.yoblog.org

 

そのため、映像化するなら、アナザーストーリーがベストだと思っています。

 

小説を映像化するのは失敗なのか?【こんな映像化が理想】まとめ

 今回は、小説の映像化についての考察をしました。

 

様々な楽しみ方がありますし、意見も十人十色だと思います。

 

それでも、個人的にはアナザーストーリーの映像化がもっと増えたらうれしいな。と思っています。