知識は水のようなもので、たえず更新しないとよどみます。どんなに知識が多くても、古い知識では意味がありません。
そう言われたら、どう感じるでしょうか?
「確かに、新しい知識に価値はあるけど、古いからと言って悪いことでは無い」
そう思う人は、私と同意見です。
確かに、新しい知識には価値があります。
・これまで誰も知らなかった事実
・これまでの定説を覆す事実
しかし、知識とは「過去の偉人の実績」の集合体です。知識は生まれた瞬間から古くなります。
また、新しい知識は長期間の統計データが無いので、確からしさに不安が残ります。
結論は、新しい知識も古い知識も価値があると思います。大切なのはバランスです。
今回は、そんな知識をアップデートする価値とそのジレンマについて、考察をしながら「学ぶ」について考えていきます。
知識をアップデートする価値
まずは、知識をアップデートする価値について考えます。
知識をアップデートする価値には、こんなものがあります。
・誰も知らない情報を手に入れることができる
・間違っていた知識を正す
誰も知らない情報を手に入れることができる
先行者利益というものがあります。一番最初に始めた人にもたらされるメリットです。
有名なところで言えば、AppleのiPhoneが有名です。初めての製品やアイデアを世に知らしめた人は、先行者ならではのメリットがあります。
そのため、新しい知識には価値がある。と考えることができます。
とはいえ、先行者利益は長続きしないんじゃないの?という考え方もあるので、ケースバイケースです。
先行者は、多大な開発リソースや市場調査が必要です。しかし、二番手には、先行者の知恵から学べますし、市場調査の量を減らせます。
つまり、一度だけ先行すれば良いのではなく、何度も何度も先行する必要があります。
とはいえ、単純に新しい知識を得ることは、学ぶことの楽しさの一つでもあると思います。
間違っていた知識を修正できる
確実に正しい知識はほとんど存在しません。
そのため、知識をアップデートするすることは、自分の間違いを正すことにもつながります。
子供の未来を占う実験で「マシュマロ試験」というものがありました。
これは、子供の前にマシュマロを置いて、一定期間我慢出来たらもう一個あげることを約束し、誰もいない部屋に一人残す試験です。
この実験では、マシュマロを我慢できた子供の方が、将来的に高い収入を得たり、犯罪歴が少ないことが確認されています。
そのため、マシュマロ試験は、子供の未来を占う一つのリトマス試験紙でした。
しかし、その後マシュマロ試験に影響を与える要素として「子供の素質以外」が見つかりました。それは、親の収入など、家庭環境でした。
親が満足に食事を与えている子供の方が、マシュマロ試験を突破する可能性が高いのです。
つまり、一度は誰もが信じた事実も、時間と共に嘘に変わる可能性があります。
知識をアップデートすることで、そんな間違いを減らす可能性が期待できます。
知識をアップデートすることのジレンマ
知識をアップデートするメリットは確実にあるものの、新しい知識には、ならではのデメリットもあります。
①情報の精度が低い
②そもそも新しい知識は少ない
①情報の精度が低い
残念ながら、新しい知識は情報の精度が低い可能性があります。
統計的に優位な母数での調査でも、時間という試練を乗り越えていない情報には、古くから検証されている知識より劣ります。
・統計調査のデータが少ない
・時間と共に変化する要素を確認できない
特に、時間と共に変化する要素を確認できないことが永遠の課題です。
例えば、ワクチンの接種では「1年後の副作用」については、確認できても「10年、20年後の副作用」については、確認が出来ません。
時間という、データの精度を保証する要素が絶対的に欠けているのが、新しい知識です。
②そもそも新しい知識は少ない
また、そもそも新しい知識は、ほぼ存在しません。
あなたが生活の中で見つけた発見は、他の人が見つけている可能性があります。
また、新しい発明とは「既存知識の新しい組み合わせ」と言われるように、完全に新しいものはほとんどありません。
つまり、「新しい知識」自体の定義が非常に難しいのが、ジレンマの一つです。
とはいえ、これは屁理屈なのであまり気にせず「新しそうなもの」を新しい知識として、取り込んでいくのがおすすめです。
新しい情報に対して、どう向き合っていくべきか【統計学と批判的思考】
では、新しい知識や情報に対して、私たちはどのように向き合うべきでしょうか。
そのヒントは2つあると思っています。
①統計学について学ぶ
②批判的思考を手に入れる
①統計学について学ぶ
統計学は最強です。なぜなら、あらゆる分野の学問が「統計学によって」裏付けされているからです。
データの解析や分析がパソコンやインタネットにより、容易になりました。そのため、統計学は、現在最も注目をされている学問の一つだと思います。
ビックデータや、データマイニングについても、統計学の知識は必須です。
統計学について知っていることで、情報の精度を確認する能力を得ることができると思います。
おすすめ本はこちらの2冊です。
②批判的思考を手に入れる
批判的思考とは、クリティカルシンキングとも呼ばれる思考です。
感情、常識などの捕らわれず、物事を正しく見る・分析するために必要な思考です。
クリティカルシンキングもトレーニングができます。自分のバイアスや、ルールに囚われない思考は、未来を見通す武器となります。
おすすめ本はこちら。
知識をアップデートする価値とそのジレンマ【まとめ】
今回は、知識を更新していく価値と、そのジレンマについてご紹介しました。
新しい知識=絶対的に良いモノ。とは思いませんが、新しい知識には、大きな価値は高いと思います。
新しい知識に騙されたり、溺れないで思考するために、今回ご紹介した2つの防具を活用してください。