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「マーケティング22の法則 書評」当たるも売れるもマーケティング次第「本レビュー」

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今回は「売れるもマーケ当たるもマーケ マーケティング22の法則」の書評です。

 

最初に結論。「マーケティングの神髄について理解できる本」です。

 

あなたはマーケティングに対してどのようなイメージがありますか?

 

・人に商品を売るための方法
・バズりを生むための秘訣
・人をだまして売り込む方法

 

など、様々なイメージを持っているかとおもいます。私は、これまで、マーケティングとは、統計的に裏付けの取れた売り込みの方法だと思っていました。

 

ですが、マーケティング22の法則を読んで感じたのは、マーケティングとは、人の心や感情を占有するための方法なんだ。ということ。

 

そして「こうなりたい」という思いを抑えることの重要さも学びました。

 

そんな、1994年に初版が発行され、今でも読み続けられている、マーケティング22の法則について、書評を行います。

 

【お品書き】

マーケティングとは何を目的にしているのか
マーケティング22の法則を読んで気づいた4つのこと
マーケティング22の法則を読む時に気を付けたい3つのリスク

マーケティングの目的ってなんなの?

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そもそも、マーケティングとはなんでしょうか?

 

 

マーケティング22の法則では、このように書かれています。

マーケティングの基本的な課題はあなたの商品やサービスが他に優っていることを顧客に納得させることだ、と信じている人が多い。

その考えは間違っている。(中略)マーケティングの基本的な課題はあなたが先頭を切れる分野を想像することである。

 

・最初にカップ麺をつくった会社
・缶コーヒーを最初に作った会社
・携帯音楽プレーヤーを最初に開発した会社

 

3つとも日本の会社です。ご存じですか?

 

正解は、日清食品UCCSONYです。もし、ぱっと思いつかなかった人でも「そういえば」と思いますよね?

 

では、これらを2番目に作った会社はどこでしょうか?私は知りません。つまり、そういうことです。

 

ちなみに、日本の大学で一番有名なのはどこでしょうか?そう、東京大学です。ちなみに、東京大学も日本最初の大学です。

 

つまり、最初になるというポジジョンを創造することは、マーケティングの基本です。

マーケティング22の法則を読んで気づいた4つのこと

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マーケティングには、普遍の法則がある。というのが、マーケティング22の法則の基本原則です。

 

よく「私の会社は独特だから、一般理論は通用しない」と思っている人が多い。とコンサル業界では言われています。

 

ですが、実際、ビジネスというカテゴリーに属す事業は、ある程度類似しています。

 

なぜなら、やることは「作って、売る」だけだからです。つまり、マーケティングにも、物理学のように法則がある。というのが、作者の主張です。

1.マーケティングブランディングは似ている

最初に思ったのは、マーケティングブランディングは非常に似ている。ということです。

 

先ほどご紹介した、一番手企業についても同様で、一番最初の印象を植え付けることは、ブランディングと似ています。

 

有名なご当地グルメを食べに行くと、ほとんどのお店が「元祖」や「発祥」と看板をあげていますが、これも同じですね。

 

企業のイメージづくりと、マーケティングにはとても似ていますマーケティングの中の一部が、ブランディングのようです。

2.マーケティングには、やってはいけないことがある

マーケティングと聞くと「何をするべきか」ということを真っ先に考えます。ですが「何をしない方が良いか」という視点も重要です。

 

例えば、マーケティング22の法則では、これらの章で紹介されています。

・集中の法則(第五章)
・製品ライン拡張の法則(第12章)

集中の法則

集中の法則とは、企業はワンメッセージだけを顧客に伝えるべき。ということです。

 

「安全性が高い車と言えば?」

 

そう聞かれれば、ボルボが一番最初に思いつきませんか?

 

「おしゃれなスマートフォンと言えば?」

 

この質問なら、iPhoneですよね?

 

どの企業も素晴らしい長所をたくさん持っています、ですが、全てを伝えようとすると、何も伝わらないようです。

製品ライン拡張の法則

日本のビールが悪い例な気がしますが、製品ラインを拡張することも、あまり良いマーケティング戦略ではありません。

 

製品ラインを拡張して、同じ名前で、何個もの商品がある。これは、集中の法則とも外れます。

 

コカ・コーラは世界に一つ。発泡酒も同様で、一社一つの製品だけ販売すれば、○○社なら、○○ビール。となります。

 

ラインナップの拡張は、印象がボケるリスクがあります。

3.一番最初には、2つの意味がある

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前半でも触れましたが、マーケティングとは、一番最初だと思われること。です。

 

その「一番最初」には2つの意味があります。

・文字通り一番最初
・一番最初に認知される

 

重要なのは、後者です。元祖であっても、人々が認知していない一番には意味がありません。

 

たとえば、白熱電灯を最初に発明したのは、エジソンではありません。ジョセフ・スワンです。

 

エジソンは、白熱電動の点灯時間を40時間⇒1,200時間に延ばしたことで有名です。

 

つまり、「この人が一番最初」と認知されることは重要です。

4.カテゴリーは当てはめるものでは無く、作るモノ

カテゴリーはある意味いくらでも作ることができます。

 

たとえば、ビールなら、日本で最初のビール以外にもたくさん作れます。

・日本で最初の輸入ビール
・日本で最初の発泡酒
・日本で最初の黒ビール
・日本で最初のノンアルコールビール
・日本で最初の強アルコールビール

 

などなど、カテゴリーを作ることで、一番最初になることはできます

 

一番最初に何かをするなんて無理。そう思うかもしれませんが、やりようによっては、一番になれるチャンスは無数に広がっています。

マーケティング22の法則を読む時に気を付けたい3つのリスク

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マーケティングについて、きちんと理解することができる、マーケティング22の法則。

 

読む時の注意点も念のため3つ取り上げます。

1.時代が違う

まずは、1994年に日本で発売されているので、書かれている内容に時代のずれがあるかもしれません。

 

そして、アメリカの本なので、具体例がすこしわかりにくい時があります。(A-1ステーキソースと言われても、よくわからないですよね?)

 

また、この本で「こんなもの売れない」と言われているものも、テクノロジーの進化によって、売れてきているものもあります。

 

・テレビ電話
・ポリエステル製スーツ

 

などは、マーケティング22の法則では否定されていますが、着実にニーズが増えています。

 

どうしても、未来予測は外れることの方が多いので、その点は注意してください。

2.確証バイアスのリスク

マーケティング22の法則では、多彩な事例で、マーケティングの成功例と失敗例があります。

 

ですが、この事例は作者が抽出したモノなので、欲しい情報だけを選択している可能性があります。

 

つまり、「一番手企業が良い事例を探す」という作業により、二番手企業でも成功した事例を見落とす。ということです。

 

バイアスはどんなに意識しても排除できないので、事例があるから、100%正しい。ということはありません。

※そもそも、科学的な手法でも、傾向値や確率が高い。と言えるだけの場合が非常に多いので注意。

3.人に嫌われるかもしれない

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最後は、人に嫌われるリスクです。

 

とくに、社会人の場合は注意です。

 

多くの企業が

・生産バリエーションを増やしたい
・全ての面で良さをPRしたい
・強みのある領域以外でも勝負したい

 

などの意見をいった時「これは間違っています」と伝えることは、嫌われるリスクになります。

 

悪い報告は、報告者に責任が全く無くても嫌われる傾向があるように、否定にはリスクが伴います。

 

・知識がある
・正しそうなことを知っている

 

これは、諸刃の剣です。知識が増えたり、経験がある時こそ、謙虚に会話することが大切です。

 

マーケティング22の法則では、これまでの常識が覆る事実がたくさんあるので、より注意が必要です。

マーケティング22の法則 書評」当たるも売れるもマーケティング次第「まとめ」

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今回は、マーケティングの考え方の根幹がわかる、マーケティング22の法則の書評でした。

 

売れるということにも、売れない。ということにも、マーケティングが関わっています。

 

もちろん、マーケティングだけで売れることは難しいとは思います。ですが、マーケティングを知らないばかりに、足元をすくわれるリスクがあります。

 

売ろうとして行動をしたのに、かえって売れなくなる。それもマーケテイングです。

 

売る時、買う時、必要なのは「売り方」「売られ方」の知識。

 

ぜひ一度、ご覧ください。

マーケテイングに関しては、こちらもおすすめ(より、具体的にテクニックがわかるのはこちら。)