ようの読書記録

読書ブロガーが考えるシンプルな暮らし

年収が800万円を超えると幸福度が変わらない。は間違っていると思う根拠【6つの幸福】

PVアクセスランキング にほんブログ村

「年収が上がっても幸福度は大きく変動しない。」

 

あらゆるメディアで言われていることですし、実際に統計的に正しい情報です。(最近では、もう少し高めの方が良い。というデータもあります。)

 

もし年収800万円で幸福度が頭打ちだと仮定した場合、年収800万円と年収5,000万円で幸福度が変わらない。というのは不思議な気がしませんか?

 

本当に、目指すべきは年収800万円で、それ以上のお金は要らないのでしょうか?

 

共働きをしている世帯では、年収800万円を超える確率は高い。ですが、そんな世帯が「もう、お金は要らない。幸福だから」

 

そう思っているとは、正直思えません。

 

今回は、そんな年収800万円で幸福度が頭打ちになる。が間違っていると感じている根拠についてご紹介します。

 

※年収800万円以降は幸福度が変わらない。だから、800万円以上稼ぐ必要は無い。という論法への反論です。

 

収入以外にも、幸福度を左右する要素がたくさんあるので、その辺もご紹介します。

 

当たり前ですが、年収は幸福を決めるたくさんの要素の中の一つでしかありません。

参考書籍はこちらの2冊

 年収800万円以上は幸福度が変わらない。の根拠

f:id:koyoux:20210423182308j:plain

まずは、前提条件となる、年収と幸福度の関係性についての根拠です。

 

行動経済学と言えば「ダニエル・カーネマン」さんですが、そのカーネマン教授が行った実験の結果が最も有名でしょう。

※ファスト&スローの著者でもあります。

 

この研究で、日本円にして年収約800万円以降は、ほとんど幸福度が向上しない。ということがわかりました。(微増はしています。)

 

また、カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究でも、年収が2倍になっても、幸福度が9%しか向上しない。という研究もあります。

 

つまり、年収と幸福度の関係性は800万円くらいまでは、ある程度右肩上がりだが、それ以降はほぼ変わりません。

そもそも幸福度の定義はあいまい

まず最初に気になるのが、幸福度の定義です。

 

もちろん「あなたは幸福だと思いますが、5段階で回答してください」以外の質問もしているとは思います。

 

しかし、あくまで幸福度は主観的なモノです。流動的でもあります。

 

1日の間でも

・出勤前
・昼食時間
・仕事終わり
・寝る前

 

など、あらゆる場面で幸福度は異なります。時間や日付をまたいだ調査だとしても、明確に幸福度を判定することは出来ません。

 

「恋人と別れた日、あなたは幸福ですか?」

 

さらに言えば、人によっては1-5の評価基準で、ほとんどを「4」か「3」にする人もいます。※なんとなく中間を狙う思考。

 

こういった要素があるので、幸福度の調査とは、どうしても前提が曖昧になりがちです。

 

人の感情を定量的に計測することは難しい。

年収以外の幸福度を上げる要素はどうなっているか

f:id:koyoux:20210416175043j:plain

ここからは、年収以外の幸福度を上げる要素を6つご紹介します。

 

・環境
・人間関係
・健康
・お金へのマインドセット
・自己肯定感
・経験

 

正直、お金があれば、これらもコントロールしやすいのではないか。と私は思ってしまいます。

1.環境

環境の影響は馬鹿にできないです。住んでいる国や県単位では無く、もっと小さな環境変化で、ストレス度は変わります。

 

・うるさい環境
・近くに公園がある
・近くに図書館がある
・近くに小川がある
・窓から景色が見える

 

などの小さな変化でストレス度は異なります。部屋にフェイクグリーンがあるだけでも、変化するくらい、人は繊細です。

 

海外の大手企業は、なるべく多くの従業員が、窓から外を見えるように設計しているくらいです。(離職率にも影響)

 

どんな環境で生活するか。で幸福度は変わります。

2.人間関係

・孤独は煙草を吸うのと同じくらい、健康に良くない
・最も幸福なグループは良い人間関係を作れている

 

こういったデータからもわかるように、人間関係は幸福度に大きく影響を与えます。

 

今でこそ、孤独でも生きていくことは出来ます。資産がたくさんあれば、完全に孤独でも、生活できるインフラがありますよね。

 

しかし、もともと人は孤独=生存の危機。という環境で育ちました。

 

つまり、孤独を嫌う人(性質を持つ遺伝子)を持つ人だけが、今でも子孫を残しています。

 

つまり、孤独で幸せな人はほとんど存在しません。

3.健康

健康面が幸福度に影響を与えるのは当然でしょう。

 

特に、健康への不安がある時に、幸福度を下げます。もちろん、健康で頭がスッキリしていれば、幸せを感じることは出来ます。

4.お金へのマインドセット

年収が大切なのはわかりますが、お金に対しての考え方も重要です。もちろん、リテラシーも。

 

・貯蓄をするか(将来への不安に対処しているか)
・自分のためになる消費をしているか
・お金を持つことに、どんな感情を抱くか

 

年収が高くても、ギャンブルや浪費クセがあれば、生活水準は低いままです。

 

年収800万円というのは「収入が多い」では無く「暮らしが豊か」という指標です。

 

お金への考え方や消費活動は、年収と同じくらいの影響があるように思えます。

5.自己肯定感

f:id:koyoux:20210307172929j:plain

個人的に、幸福度に対して最も重要なのは、自己肯定感です。

 

自己肯定感とは、自分を肯定することができる考え方です。

 

わかりやすくいえば、満足できるハードルの高さ。です。

 

・1,000万円の外車
・400万円の国産SUV
・50万円の中古の軽自動車

 

あなたが満足(いい気分)で過ごせるのは、どの車ですか?

 

人によっては、1,000万円くらいの車じゃ、満足できないよ。という人もいます。その人は、幸福を受けるために必要な刺激の量が多いです。(自己肯定が出来ない)

 

ですが、大学生の時、働き始めてすぐの時、50万円の中古の軽自動車を手にしたらどんな気分になるでしょうか?

 

きっと、嬉しいはずです。私が、幸福にも大学生の時に50万円の中古の軽自動車を買ってもらい、非常にうれしかったことを覚えています。

 

つまり、満足するハードルは低い方が良いです。

「今日はファミレスでランチ。うれしいな」
「久しぶりにスタバのコーヒー。美味しい」
「家族で、日帰り温泉。気持ちいいな」

このように考えられれば、幸福になれます。

 

・高級食材
・専属のコンシェルジュ
・離島の高級リゾート

 

こういった経験なんて無くても、人は幸せになれます。

6.経験(旅行)

経験も幸福度を上げる要素です。その中でも、こちらの4つの要素に関連する経験が、特に効果的と言われています。

 

・人とのつながりを感じる
・繰り返し語れる思い出になる
・自分の理想像に近づける
・レアケースへの遭遇

 

ちなみに、日程の長さは幸福度や満足度との関係性が低いので「日帰り旅行」でも、充分です。

 

年収800万円以上でも、年間300日10時間労働をしているのでは、仕事以外の経験が圧倒的に不足します。

 

※富裕層は、仕事が好き(好きなことが仕事)の場合もあります。その場合は労働時間が長くても、幸福感への悪影響は少ない場合があります。 

寄付をすると年収2倍と同じくらいの幸福度

f:id:koyoux:20210213105140j:plain

寄付をすると、年収が2倍になったのと同じくらいの幸福度向上が期待できるようです。

 

2006年~2008年の研究のため、少し古い研究ですが、世界136国の20万以上を対象とした調査です。

 

結果は、前の月に寄付をした人は、寄付をしていない人よりも、幸福度が高い傾向が確認できました。

 

※寄付をしている人が、そもそも幸福度が高い(精神的に余裕がある)という可能性も否定できません。

 

ただし、お金を人に渡すことで

・自分は人に寄付できるくらい余裕がある
・自分は優しい人だ
・自分はケチな人で無い

 

そう考えることができるため、幸福度が上がる。ということは間違いないと思います。

 

アメリカのお金持ちが、ガンガン慈善活動をしているのは、幸福度が劇的に向上していることを、実感しているから。かもしれませんね。

 

ちなみに、ボランティアも幸福度に対して効果的なので、おすすめです。ちょっとした、親切をたくさんする日を作ってみましょう。

比較して幸福になることは出来ない

f:id:koyoux:20210127185136j:plain

人々が小さなコミュニティで生活している時は、人との比較で幸せになることができました。

 

・自分が一番動物を見つけるのがうまい
・自分が一番、石を割るのがうまい

 

ですが、世界中がつながってしまう現代では、比較の幸せを掴むのは難しいです。正しくは不可能です。

 

・スポーツ
・アート
・文才
・仕事
トーク
・収入

 

どれをとっても、世界には、自分以上の人が居ることがわかります。しかも、無数に存在します。

 

クラスの人気者は、芸人さんと比べれば話べたです。

 

だからこそ、人と比較するのではなく、自分を認める強さが重要です。つまり、自分を認める力が大切です。

年収800万円を生涯維持することは難しい

f:id:koyoux:20210123193040j:plain

 年収800万円以降の幸福度が変わらない。だから、800万円を目指そう。

 

年収と幸福度の関係を考えれば、これ以上のアドバイスはありません。

 

しかし、これまで述べてきたように、年収が高くなれば幸せ。というわけではありません。

 

他にも、幸福度を決める要素はあります。

 

さらに、年収800万円の場合、100万円収入が減ったらそのまま幸福度への影響があります。

 

年収が2,000万円あれば、100万円収入が減ってもほぼノーダメージです。

 

大切なのは「生涯800万円を稼ぐ力」です。仕事の引退前の一年間だけ年収が800万円になっても、収入による幸福感の上限は1年だけです。

 

つまり

・年収800万円を目指す
・年収800万円を維持する

 

この2つを行っていくのが、正しいアプローチかと思います。

言いたいこと。

f:id:koyoux:20201221225342j:plain

今回言いたいことは、統計データへの文句ではありません。

 

幸福度を決める要素は、年収だけではない。ということです。また、安易に800万円をゴールに設定するのは、リスキーです。

 

目指すべきは、年収を上げることによって、幸福度を上げる様々な要素へ投資が出来たり、時間的な余裕を確保すること。

 

また、当然ですが年収が800万円に届かなくても、幸福感を感じることは出来ます。

 

年収800万円以降は、幸福度がほぼ変わらない。

 

事実ですが、あくまで幸福の要素の一部です。

自分の幸せがわからない?でも大丈夫!

f:id:koyoux:20201219110547j:plain

ここまでご覧いただき、幸福には非常に多くの要素がある事がわかったと思います。

 

でも、同時に「どうしたら幸せになれるかよくわからない」と思ったかもしれません。

 

でも、大丈夫です。

 

自分が想像する不幸を反転させてください。それが、あなたの幸せです。

 

・貧しい生活をしたくない⇒ほどほどの収入を目指す
・孤独に生活したくない⇒家族関係を良くする・友人を大切にする
・忙しすぎるのは嫌だ⇒時間をつくる。自分の時間を確保する

 

人は生まれつき、不幸や苦しいことにフォーカスするようにプログラミングされています。

 

だからこそ、自分の幸せが何かがわからなくなります。

 

であれば、それを活かして、不幸の反対を目指してみてはいかがでしょうか?

 

それが、年収でも、高級な車でも、週3日のゴルフでも構いません。

 

幸福や生活にモデルケースはありません。幸福とは、自分の望みをオーダーメイドすることだから。

 

本でいえば、こちらの2冊がおすすめです。